24話 灼熱の黄砂
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鉄壁の中へ突入した。
中では、アルベド族が魔物と戦っている。
外壁の内部には大小の弾痕の穴が開き、魔物の爪で引き裂かれたパイプや柱が倒れ、激しく炎が燃え盛っていた。
床には死体が転がり、辺り一面、血の海だった。
その海を、幻光虫が青白く尾を引きながら舞う。
己の生存を脅かす其処に、機械の使用を禁止するエボンの教えなど、入る余地はなかった。
銃撃戦を繰り広げるアルベド族の前で、ワッカは怒鳴った。
「ユウナはどこだ!」
前方で、ひとりのアルベド族の男が倒れた。
力尽きた彼に、リュックが駆け寄る。
「ケヤック!誰?誰がこんなことしたの!?トホュセチサオ、ザエ!?」
駆けつけたリュックに、彼は最後の力を振り絞った。
「エボンーーグアド・・」
「ケヤック!」
力尽きた彼に、リュックは取り縋る。
ルールーは、思わず呟いた。
「エボンと、アルベドの戦争?」
「ホフギヤメネ」
突然聞こえて来た馴染みのない言葉に、ルールーは声の主に顔を向ける。
「グアドソメナミマ、ショウカンシザ」
怒りと悲しみを堪え、横たわるケヤックに近づいた。
「トタギーー」
跪くと、そっと、ケヤックの
リュックは、彼の魂が、魔物に変わり果てることのないように、祈った。
ケヤックを抱きしめて、別れを惜しんでいるふたりの周りに、皆が集まった。
「てめえら、リュックのダチか?」
立ち上がると、流暢な共通語を話した。
「ちょうどいい、手ぇ貸せ!ホームに入り込んだ、グアド族を叩き出すぞ!!」
返事も聞かずに、ホームの入口に向かって走り出した。
皆が後に続く。
グアドより先に、ユウナを捜さなければならない。
まだ立ち尽くしているリュックに、ティーダは訊ねた。
「誰?」
「シド。アルベド族の親分で、あたしのおやじ」
「行こう」
「うん。ユウナん、助けなくちゃ」
「ユウナだけじゃないだろ!」
悲しみに暮れるリュックを励ますように、ティーダは力強く言った。
その言葉が含む彼の優しさを察し、リュックは顔を上げる。
涙を拭うと、ティーダを見て頷く。
「うん!!」
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