24話 灼熱の黄砂
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リュックは、暑さに舌を出しながら、ある場所を捜していた。
「ゔ~、 確か、この辺にあると思ったのに~」
立ち止まっては、辺りを見渡す。
しかし、お目当てのものは、なかなか見つからない。
「ユウナん、大丈夫かな。みんなとも会えないし。どうしよう~」
リュックは、砂の上にペタンと座り込んだ。
「アヤが貸してくれた服も、どっかいっちゃったし」
大きくため息をついて、うなだれた。
その背後に、機械音が聞こえた。
それに気づいたリュックが振り返ると、すぐ後ろに作業用ロボットが迫っていた。
「えっ、何?暴走!?」
腕の先についた、細長い錐を突き出す。
「ひゃあ!」
座り込んでいたため、避けることも出来ずに、錐はリュックの左腕をえぐった。
傷口から、血が流れ落ちる。
リュックは傷口を押さえ、立ち上がった。
モーター音を起てて、ロボットは再度接近してくる。
この至近距離では、アイテムを調合している時間もない。
「うーー」
傷の痛みと打つ手のない悔しさに、顔が歪む。
そこへ、風を斬る音が聞こえた。
黄色い砂煙を上げ、何かが俊足に近づいて来る。
「えっ?」
確かめる間もなく、『それ』は一撃でロボットを破壊した。
リュックは、『それ』が跳ね返っていく方角を見た。
人が、走ってくるのがわかった。
赤い髪に、青いバンダナが巻きついている。
「おい!大丈夫か!?」
「ワッカ!!」
リュックは思わず抱きついた。
「おわっ!?」
いきなり抱きつかれて驚いたが、腕の傷が目に入った。
「なんだよ!ケガしてるじゃねえか」
「あーかすり傷だよ、こんなの」
「よくねえよ。なんか、縛るもんねえのか?」
ワッカにそう言われ、ポケットや背中のカバンの中を、ごそごそと漁る。
「え~とーー」
なさそうな雰囲気に、ワッカは自分のポケットに手を入れた。
布を取り出すと、リュックの腕に巻きはじめる。
「ありがとーーて、このハンカチ、あたしんじゃん!!」
大声を出すリュックを、ワッカは睨んだ。
「いいじゃねえか、これしかねーんだから」
しれっと言い放つワッカに、リュックはまくし立てる。
「よくないよ!血がついちゃったじゃない!」
ワッカは面倒臭そうに立ち上がると、耳に小指を突っ込み、あさっての方を向いた。
「わかった、わかった。後で、新しいヤツ買ってやるよ」
リュックは驚いて、目を見張る。
「ほんと?」
「ああ」
「約束だからね!」
「わかったって、言ってるだろ!しつこいっつーの」
とびきりの笑顔を見せるリュックに、ワッカは後ろを向いて頭をガシガシ掻いた。
「ワッカ!こっちこっち!こっちに救命テントがあるんだ!」
手招きをすると、元気に走り出した。
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