24話 灼熱の黄砂
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ルールーは、仰向けに倒れている、キマリの体を揺すった。
「キマリ!キマリ!」
ハッと気づいたキマリは、目を動かした。
自分を覗き込んでいる、ルールーと視線が合う。
「ここはーー」
起き上がり、一面の砂に唖然とする。
「わからない」
ふたりは立ち上がる。ルールーは、キマリに槍を手渡す。
それを受け取りながら、ユウナの姿を探す。
「ユウナ、見当たらないのよ。誰かと一緒だといいんだけどーー」
「探す」
「ちょっと、キマリ!動かない方がーー」
自分の言う事など、全く耳に入らない様子に、彼女は頭を抱える。
仕方なく、キマリの後を追った。
黙々と歩くキマリに、ルールーはドレスの裾をつまみ上げ、ついて行く。
「みんな、無事かしら」
ルールーの問い掛けに、キマリは無言で返す。
返事を諦めて、黙って歩くルールーに、キマリが逆に問う。
「リュックとワッカが、気になるのか?」
「別に!あのふたりの仲が良くったって、私は気になんか!」
慌てて否定するルールーを、キマリは一瞥した。
「そうではない」
「えっ!?」
キマリは、辺りに気を配りつつ続けた。
「リュックは、アルベド族。そのことでふたりが揉めていないか、キマリは心配している」
キマリの言葉に、ルールーは自分の勘違いに気づいた。
みるみる赤くなるルールーの顔を見て、キマリはまた、前を向く。
何事も無かったように歩くキマリを、ルールーは睨む。
「笑ってるでしょう」
「笑ってなど、いない」
「嘘」
言葉とは裏腹に、キマリの尻尾が揺れているのを、ルールーは見逃さなかった。
「笑っていない。楽しいだけだ」
「やっぱり笑ってるんじゃない!」
ルールーは眉を吊り上げ、歩き出した。
しばらく歩いていくと、救急箱が設置してあるテントを見つけた。
この砂漠を、往来している者がいるようだ。
ルールーは、そこで少しだけ休む事にした。
その間に、キマリは付近の砂丘に登り、辺りを調べていた。
テントの中でひと息ついていたルールーは、前方から歩いてくる朱い人影を見つけた。
「ユウナ!?」
思わずテントから飛び出した。
「あーー」
それはユウナではなく、アーロンたちだった。
「一緒ではないのか?」
ルールーは、ユウナの姿がない事に、ガックリと肩を落とす。
「はいーーガード失格だわ」
そこへ、キマリが戻って来る。
「ユウナは、いない」
一番近くに居ながら、守れなかった。
キマリは自分を責めていた。
「キマリのせいじゃないって」
ティーダの慰めにも、黙って首を振った。
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