24話 灼熱の黄砂
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「ぶわっ!!」
水に、うつ伏せに浮かんでいたティーダは、顔を上げた。
「今度はどこっスかーー」
照りつける太陽に、目を細める。
取りあえず、泳いで陸に上がり、辺りを見渡す。
ここは、砂漠の中のオアシスのようだ。
「ま、勘弁してやるか。しばらく、大人しくしてろよ」
後ろを振り返り、姿の見えないシンに語りかける。
「みんなはどこっスか?」
オアシスの周りにある、岩によじ登った。
見渡しても、360度一面の砂漠地帯だ。
そのまま岩の上に胡坐をかくと、膝の上に肘を置き、頬ずえをついた。
武器はある。
水もあるし、ここで待っていた方がいいのかもしれない。
「しか~し!」
ティーダは立ち上がる。
「行動あるのみ!!」
拳を突き上げて、岩から飛び降りた。
その上空を、黒い雲が覆う。
「なんスか?」
不思議に思い、見上げるティーダの目に、巨大な黒い鳥が映る。
黒い翼を羽ばたせ、真っ直ぐに向かって来た。
「うっひゃあ~!なに喰ったら、そんなに育つんだ!?」
悲鳴をあげるティーダをからかうように、赤い口から長く黒い舌が伸びる。
鋭い口ばしの攻撃を、かろうじて剣で防ぐ。
「手助けしてやろうか?」
突然聞こえた、アーロンの声。
「頼むっス!」
余裕のない返事に、アーロンは口の端を上げる。
ティーダを庇うように立つと、ズーの翼の付け根を目掛けて走る。
「ふん!!」
大太刀を振り下ろした。
アーロンに斬りつけられ、ズーは地面に這いつくばった。
「天の光に裂かれなさい」
魔法詠唱の声が聞こえ、稲妻がズーを突き刺した。
断末魔の喘ぎを上げた後、黒い翼を広げて、ズーは幻光虫に変わった。
「大丈夫?」
アヤが心配して訊ねる。
「みんなは?」
肩で息をしながら、ティーダは逆に、アヤに訊ねた。
アヤは首を横に振った。
「近くにはいないわ。こういう時は、最初の場所を動かない方がいいんだけどーー」
アヤが言い終わらない内に、アーロンは歩き出した。
「じっとしてるっての、無理だよ」
半分呆れ顔で、ティーダはアーロンの後ろ姿を見た。
「ほらな」
ティーダとアヤは、顔を見合わせて苦笑した。
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