24話 灼熱の黄砂
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砂の上に落ちている自分の上着を見て、腕の中にいるアヤを見やる。
「ユウナがいないの」
アヤの報告に腕を解くと、上着を拾い上げる。
「行くぞ」
アーロンは、歩きながら袖を通した。
黄砂を踏みしめ、必ずいる仲間を探す。
後ろを歩くアヤが、躊躇いがちに話し掛ける。
「ねえ、アーロンーーアニマが、究極召喚獣だって言ったら、信じる?」
「何?」
アヤは視線を落とす。
「十年前に、ザナカンド遺跡でみた思念ーー覚えてる?」
唐突な質問に、アーロンは眉をひそめる。
アーロンが返事を返す前に、アヤは続けた。
「あそこで見た思念の中に、子供と母親らしき人がいた」
アーロンも思い出したのか、軽く握った拳を顎にあてる。
「そういえばーーブラスカが気にしていたな。確か」
『いやだ、いやだよ!母さま!』
視線を上げ、アーロンを正面から見据えた。
「あの子供は、グアド族だった」
マカラーニャ寺院で、アニマと対峙していた時の、アヤの態度を思い返す。
あれが究極召喚獣なら、並の強さではない。
寺院で授かった召喚獣など、歯が立たない。
「それが、おまえがアニマを恐れていた理由か」
アヤは頷いた。
「俺たちには、まだ知らない事があるのだな」
自嘲の笑みを浮かべ、アーロンは呟いた。
「うん。だから、信じましょう」
「何をだ?」
「無限の可能性をーー」
覚えていたのかと、アーロンは微かに笑った。
ふと、前方上空に黒い雲が見えた。
風に流れてーー動いている?
「ズーよ、あれ」
黒い翼を羽ばたかせ、空を覆い隠す、怪鳥。
「何かを襲っている」
アーロンとアヤは、走り出した。
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