24話 灼熱の黄砂
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今度は、砂丘の前に黒い影を見つけた。立ち止まって、目を凝らす。
「アーロン!」
見間違えようのない大太刀に、アヤは走り寄った。
「アーロン、無事だったのね!」
後ろから走って来るアヤに、アーロンは首を捻って目線だけを送る。
「アヤ、おまえに言付てを頼まれた」
「私に?誰かいたの?」
驚いて見上げるアヤに、アーロンは向き直った。
「アルベド族の若い男だ。俺と同じ、片目の」
「えっ!?」
目を見開くアヤから視線を外し、砂丘を見る。
「約束、忘れないでくれーーだ、そうだ」
「あーー」
生きていたーー
彼が生きているのなら、あの三人も、無事かもしれない。
アヤの目に、涙が浮かんだ。
両手で顔を覆うとしたアヤを、アーロンはいきなり抱き寄せた。
抱えていた上着が腕をすり抜け、砂の上にフワリと舞った。
「アーロン!?」
突然の事に、すんなり腕の中に収まったアヤの体を、更に強く抱きしめる。
顎を掴み上を向かせると、有無を言わさずに唇を奪う。
離れないように、顎を掴んでいた右手を頭の後ろに廻し、固定した。
「んーー」
唇を強く吸われ、差し込まれる舌に、アヤは吐息を洩らす。
自分の腕をアーロンの首に廻す余裕もなく、為すがままになる。
舌を絡めとられ、アーロンの中へ導かれると、彼の舌と唇で喰まれた。
「・・ハァ」
ようやく唇を離し自分の首筋に顔を埋めるアーロンの体を、アヤはやっと抱きしめる事が出来た。
アーロンの髪を優しく撫でると、潤んだ瞳で囁いた。
「妬いてるのーー?」
アヤの耳元に、アーロンは唇を寄せる。
「悪いか」
アーロンの呟きに、くすぐったそうに笑いながら、耳元で言った。
「・・バカね」
砂丘から、顔だけ覗かせてふたりの様子を盗み見ていた彼は苦笑した。
「こりゃあ、ヌージの旦那、勝ち目ねえな」
そう呟くと、砂丘の向こう側へ姿を消した。
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