23話 湖底の大地
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波の音ーー
海を眺めながら、ジェクトの息子が『祈りの唄』を歌っている。
その後ろ姿と、眼前に広がる海を見ていた。
スピラに繋がる海。
ザナルカンドに繋がる
虚構と真実を繋ぐ海。
青い海と蒼い空。
この世界が『ーー』でも
海はどこまでも青く 大きかった。
声にならない答えを察して、ティーダは俯く。
「やっぱ、そうだよな」
決定的だった。
ザナルカンドとスピラを繋いでいるのは
『シン』
だから シンを倒したら
ザナルカンドへは帰れない
だからオヤジは 覚悟を決めたんだ
「あれ?」
リュックが立ち止まって、寺院を見上げた。
「歌が終わったみたいね」
ルールーの足元に、さざ波が立っている。
「地面が揺れている」
キマリが異変に気づく。
ワッカも、キョロキョロと辺りを見渡す。
「なんかいるんじゃねえか?!」
体が、ざわざわとした気配を感じる。
歌が消えると、低く、長く、呼吸のような音が響き渡る。
「下だ!!」
アーロンが叫ぶ。
「シン!?」
ハッとして、アヤが足元を見る。
マカラーニャ湖の氷から、湖底に落ちたとばかり思っていた。
ここは、シンの体の上!?
「毒気に気をつけて!」
ルールーが、全員に注意を促す。
キマリはユウナを庇い、リュックはワッカの背中に身を寄せた。
何かから護るように、ワッカは腕を広げる。
緊張が駆け巡る。
体の上に居る、ティーダたちの狼狽など歯牙にもかけず、シンはゆっくり動き出した。
真白(ましろ)い世界へ
また
誘(いざな)われた。
この時だった。
『シン』は
オヤジなんだってこと
はじめて素直に
受け入れることが出来たんだ
歌ーー
聞いてたんだろ?
今度はーーなんだよ
.
