23話 湖底の大地
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ユウナは、アーロンの傍へ行った。
「決めたのか?」
「はい、旅は続けます。でも、寺院の許可が得られるでしょうか?」
不安げに、眉を寄せる。
続ける意志はあるが、許可が降りずに、止めざる得ないかもしれない。
「召喚士を育てるのは、祈り子との接触だ。寺院の許可や教えではない。おまえに、覚悟があるならーー」
言葉を切ったアーロンに、皆は訝しげに彼を見る。
「俺は、寺院に敵対しても構わんぞ」
「おわっ!」
「スッゴいこと言うな~!!」
言い切ったアーロンに、ティーダとリュックは喜び、ルールーとワッカは驚愕する。
「アーロンさん!」
流石に、ルールーがアーロンの発言を咎める。
「俺は反対だ」
ワッカは、冷静に意見を言う。
「俺たちは、犯した罪を償わなくちゃならねえ。確かに、シーモア老師の事は、あまり好きじゃなかった」
腕を組んで、シーモアへの感情をさらけ出す。
「あぁ、ミヘン・セッションの時から、気に入らなかった。
ジスカル様とは色々あったみてえだが、殺したのは許せねえ。
俺たちを殺そうとした事もーーけどなあ」
「それでも、罪は罪。裁きを受けるべきです」
ワッカの後を、ルールーが代弁する。
「裁きなら、私ひとりが受けるわ。シーモアを直接手にかけたのは、私だもの」
黙って聞いていたアヤが、ワッカとルールーに向かって言った。
「無理だ。アヤはユウナのガード。ガードのしでかした事の責は、召喚士にある」
キマリの発言に、アヤは唇を噛む。
ユウナは少しの間、指を唇に当て考え込んだ。そして、皆に提案した。
「ベベルへ行こう。聖ベベル宮の、マイカ老師に事情を説明しよう。それしか、ないと思う」
「そのつもりだ。アヤさんだけに、シーモア老師を殺した責任を、押し付ける事はしない」
ワッカが真っ先に賛同する。
「ちゃんと話せば、マイカ老師もわかってくれると思うんだ」
アーロンは、微かに笑う。
必死に前へ行こうとするユウナを、喜んでいるのか。
それとも、寺院に対する皮肉な笑いなのか。
どちらにも、とれた。
アヤは、ユウナが差し示す希望に、苦い笑みを浮かべる。
「アーロンさん、一緒に来てくれますか?アヤさんも」
上目づかいにアーロンを見る。
ガードとして、必要なだけではない。
ふたりと、少しでも一緒にいたい。
そんな、ユウナの切なる願いも、込められている。
ユウナの気持ちを汲み取ったのか、アーロンは謝罪の言葉を紡ぐ。
「事を荒立てたのは、俺だからな」
その事を、アーロンは素直に認めた。
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