23話 湖底の大地
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「なあキマリ。どうやって、ここから出よっか?」
リュックの発言を肯定出来ないティーダは、黙って体の向きを変え、キマリに助けを求める。
そんなティーダの態度に、リュックは思い切り彼の背中を叩く。
「話そらすな!」
「よじ登るしかない」
キマリは、上空を指差した。
逃げ口実のティーダの問い掛けに、キマリは真面目に答える。
「キマリも!」
リュックは、話をはぐらかされ、キマリにも怒りの抗議をした。
「なりたい者になれるのは、なろうとした者だけだ」
キマリの助言に、リュックは頭を抱える。
「ゔ~?」
ティーダは笑いながら説明する。
「アヤみたいになりたかったら、努力せいっ!てことだろ?」
「おっ、がんばるよ!」
リュックの負けん気に、火がつく。その様子に、キマリは首を振る。
「リュックは、リュックのままでいい」
「ゔ~?」
キマリの言った意味を、どう受け取ったのか、リュックはキマリに詰め寄る。
「あ、無駄な努力するなってこと?キマリ~!」
「あはははは!!」
リュックの解釈に、ティーダは笑い出した。
その笑い声が、ワッカの神経を逆撫でする。
大股で三人に近寄ると、拳を振り上げ怒鳴った。
「お前ら、よく笑ってられんな!?」
その声のせいかわからないが、ユウナが意識を取り戻した。
「ん・・」
「あっ!」
それに気づいたティーダの口元が、嬉しそうに綻んだ。
「ユウナ、これを羽織れ」
アーロンは、自分の上着をユウナに差し出す。
「でも、それじゃ、アーロンさんがーー」
「そんな柔な鍛え方は、していない」
ユウナは笑い、上着を受け取った。
キマリが後ろから、ユウナの肩に掛ける。
「ありがと、キマリ」
「リュックはこれを着て」
アヤがリュックの肩に、自分の上着を掛ける。
「えっ?いいよ!アヤが風邪ひいちゃうよ」
驚いて、肩に乗る服を返そうとした。
「痩せ我慢しないの。服の上からわかるくらい、冷えてるよ」
「でもーー」
泣きそうなリュックに、アヤは笑って言った。
「外気温の調節が出来るから、大丈夫だよ。ルールーみたいに上手じゃないけど」
「うん!ありがと!」
薄く靄が立ち込め、幻光虫の放つ光が、淡く瞬く。
ユウナは、アーロンの上着に包まれて、寺院での事を語り始める。
「シーモア老師に、ジスカル様の事を聞こうと思ったの。
そして、きちんと寺院の裁きを受けて貰いたかった」
「結婚は、その引き換え?」
俯きがちに、ユウナは答える。
「必要なら、そうしようと思った」
「んで、シーモアは、何て言ったんだ?」
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