23話 湖底の大地
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遭遇した雪男ーーじゃない、ウェンディゴっていう魔物と、俺たちは戦った。
そいつの力が、とにかく強くて。
ユウナは、キーリカで授かったイフリートを召喚した。
イフリートは、火を操り、圧倒的な強さで、ヤツを追い詰めた。
追い詰められたウェンディゴは、巨大な腕と手で、湖の氷を割った。
俺達は割れた氷ごと、湖の底へ落ちた。
「エボンの賜物」
エボンの教えに従う人なら、こんな言い方をしたんだろうな。
とりあえず、みんな一緒だし、無事だった。
先のことを考えると、アタマ痛かったけどさ
そこは、湖の底にしては、些か奇妙だった。
ふくらはぎまである水から、建物の残骸が突き出ていて、地面は水の底にしては硬かった。
突き出ている残骸は、なんだか、寺院の建物にも見える。
それに、風が抜けるような、呼吸のような、そんな音が絶え間なく響く。
「さてーーどうしたものかな」
「あんたってさ、とりあえずやってから考えるって、感じだよな」
辺りを見渡すアーロンに、ティーダは呆れて言った。
「いいトシなんだし、みんな頼りにしてるんだしさぁ」
ちゃかすティーダに、アヤは思わず笑みが洩れる。アーロンは、じろりとそれを見た。
「説教か?」
睨まれて、ティーダは慌てて否定する。
「そういうわけじゃないっス!感想っス!」
アヤは、クスクス笑いながら、それを眺めた。
ザナルカンドにいた頃は、こんな風に会話をしていたんだろうか
それが無性に、羨ましかった。
「他人に頼るな。と、までは言わんがーー頼って当然。守られて当然とは思うな」
アーロンは、ティーダを正面に捉える。
「そんな人間には、なるなよ」
オヤジに言われてるみたいで、少しむくれて返事を返す。
「説教っスか?」
「助言だ」
隣で微笑んでいるアヤと、目が合った。
三人でいると、親子のような錯覚をしてしまう。
アーロンはともかく、アヤはそんな年じゃない!って、怒るかも。
いや、絶対怒るっス。
そんな気持ちを悟られないように、ぎこちない笑みを浮かべて声を掛ける。
「アヤ、平気っスか?」
アヤは微笑んだまま、頷いた。
人差し指で、上空を差す。
「ここ、湖の氷の下よね。ほら、あれマカラーニャ寺院の底よ。」
ティーダが見上げると、随分落ちたわねと、アヤは呟いた。
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