22話 偽りの絆
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全員が、立ちすくんでいると、広間側の扉が開いた。
グアド族を従えて、トワメルが姿を見せる。
「おぉ・・シーモア様!?」
倒れているシーモアに気づき、慌てて駆け寄る。
「い、一体、何が!?」
トワメルの目が、アヤの持っている銃に止まる。
「まさか・・」
アヤは、押し黙ったまま、まだシーモアを見つめていた。
「アヤ様ーーあなたが!?」
思わず、ティーダは言った。
「先に手を出したのは、シーモアだ!」
一緒に入って来たグアド族は、シーモアの骸に、取り縋った。
トワメルは、怒りに震えてアヤを謗る。
「10年前、あなたの命を救って差し上げたシーモア様を!あなたはーー」
「ユウナ、送ってやれ」
険悪な空気の中、アヤを庇うように、アーロンは云う。
敵対していたとはいえ、魂が迷うのは、忍びなかった。
「お止めなさい!あなた達、反逆者の手は借りません!」
激昂するトワメルに、ユウナの体が強張る。
シーモアの亡骸を運び出すよう命じ、部屋を出て行った。
「反逆者ーー」
そう呼ばれ、ユウナはガックリと膝を折る。
「俺たちは、何てことをーー」
トワメルに謗られたことを、ワッカは嘆いた。
ティーダは納得いかないと、ひとり捲くし立てる。
「ちょっと待てよ!悪いのはシーモアだろ!説明すれば、わかってくれるって!」
出口に向かうティーダに、アーロンが呟いた。
「それ程、甘くはないだろうがな」
此処に、こうしていても仕方がない。
「兎に角、ここを出るぞ」
アーロンの差し図に、皆は、出口に向かって歩き出す。
その場を動かない、アヤの肩を揺すった。
「アヤ」
弾かれたように、顔を上げる。
紫の瞳が、揺れながらアーロンを見上げた。
「アーロン、私ーー」
「話は後だ。いくぞ」
アーロンの瞳は、優しかった。
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