22話 偽りの絆
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「アヤーー」
アーロンが、名を呟いた。
突然の展開に、誰もが言葉を失った。
アヤが持つ銃の、銀色のバレルが鈍く光る。
「アヤーー私を撃つのですか?」
「そうよ」
シーモアは、薄く笑う。
そんなシーモアと、アヤは決して目を反らさない。
「アニマを戻して」
銃口は迷い無く、シーモアに向いている。
「ーー信じているのですか?あんな、戯れ言を」
「アニマの力は、冗談にしては強過ぎる」
褒め言葉と受け取って置きましょうと、シーモアは慇懃無礼に頭を下げる。
「シーモアーーあなたは、出来ると思っているの?」
「何をです?」
突然、切り出された事柄に、シーモアは、目を細めた。
ふたりのやり取りの意味が、全く分からない皆は、ただ黙って見ていた。
「アヤ、私に何が出来ないと言うのです?」
「ーー絆よ」
「絆?」
アヤの言わんとしている事がわからずに、シーモアは怪訝な顔をする。
「そうよ。あなたとアニマ以上の絆を、他の人と築けると思っているの?」
ユウナは、シーモアとアニマを見比べる。
召喚士は、祈り子と心を通わせ、召喚獣を授かる。
確かに、絆を築くようなものかもしれない。
そしてそれは、ガ-ドに対しても言えること。
「アヤ、あなたと私の間には、何も無いとおっしゃるのですか?」
「無いわ」
即座に否定され、シーモアの顔に怒りが浮かぶ。
「口づけまで、交わした仲だというのに」
大袈裟に、表現をするシーモアに、アヤは冷たく言い放った。
「結婚を申し込んだ相手の前で、言う事じゃないと思うけど」
「これは、失礼」
口の端は上がったが、目は、シヴァの氷よりも冷たかった。
リュックは、シーモアの冷ややかな目に、震え上がった。
アーロンは、身じろぎもせずに、アヤを見つめる。
「例えあなたと何度、唇を重ねようと、絆なんか」
俯いて、目をぎゅっと瞑った。
「絆なんか出来ない。ユウナだってそうよ」
シーモアは、事の成り行きを見守るユウナを見た。
アヤは、顔を上げる。
「結婚という誓約で縛りつけても、ユウナはあなたを愛さない。」
キマリは槍を構えたまま、シーモアを睨みつけている。
「あなたも、愛しているのは、あの祈り子だけ。私達は、あの人の代わりじゃない!」
ワッカは既に、戦意喪失していた。
「あなた自身が愛さなければ、誰も、あなたを愛さないよ」
ルール-は、アヤの胸の内に、涙を滲ませる。
「あなたの心の淋しさは、いつまでたっても埋まらないの!!」
アヤの叫びに、シーモアは、嘲りの笑みを見せる。
「言いたい事は、それだけですか?アヤ」
ティーダは剣をかまえて、シーモアを睨みつけた。
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