22話 偽りの絆
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シーモアが召喚したアニマを見て、ユウナはルール-とリュックに言った。
「二人とも下がって!召喚します!」
ユウナはこの寺院で授かった、シヴァを召喚した。
ロッドを高く掲げると、氷の塊が花びらのように、幾重にも床に突き刺さった。
その中心に、氷の女王は美しく舞い降りる。
シヴァは体を覆う布を取り、圧倒される程みごとな肢体を、惜しげもなく晒した。
「みんなを守る力を貸して下さい!」
ユウナの願いに、彼女は妖艶に微笑んだ。
シヴァは、アニマの足元を凍らせて、動きを止めた。
「すげぇ」
後ろに下り、召喚獣同士の戦いに巻き込まれない距離で、ティーダが感心する。
「ユウナんの召喚獣で、倒せるんじゃないの?」
リュックも、新たな召喚獣の力に、目を輝かす。
「だな」
ティーダも、リュックの言葉に頷く。
だといいんだけどーー
アヤは、召喚されたアニマを見ながら、不安を隠せなかった。
シーモアの言葉を信じるなら、アニマは他の召喚獣とは違う。
召喚師に力を貸す為ではなく、護るために存在している。
シーモアだけを護るために。
シヴァは、キラキラとダイヤモンドダストを降らせながら、左手から冷気を放つ。
アヤの心配をよそに、シヴァはアニマを、確実に追い詰めているかに見えた。
凍りづけにしたアニマを破壊しようと、衝撃を与える。
しかし、壊れたのは氷だけだった。
アニマは傷ひとつなく、眼を不気味に光らせた。
すると、シヴァの足元に黒い円が広がり、彼女を闇に呑み込んだ。
闇には、別の次元に存在する、もうひとりのアニマがいた。
尻尾の先には、狒狒のような顔と腕。
尾は、ユウナ達がいる次元に繋がる。
呑み込まれたシヴァは、そのアニマから無数の打撃を受け、幻光虫へと姿を変えてしまった。
闇に呑み込んだ時点で、アニマの勝利を確信したシーモアは、次の標的をユウナに定めた。
「ちっ!」
「ユウナ!」
召喚獣が相手では、圧倒的に不利と知りながら、ティーダ達は立ち向かおうとした。
その時、銃声が鳴り響いた。
皆は、一斉に振り返る。
振り返った視線の先には、硝煙を上げる銃を構えたアヤが立っていた。
見れば、グアド族のガ-ドは全員、床に転がっている。
近くにいたワッカは、茫然とアヤを見ていた。
「やはりあの時、取り上げておけばーー」
シーモアは、顔を歪めた。
「次は、ハズさない」
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