22話 偽りの絆
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【そして、舞台の幕は終りる】
全員揃ったところで、マカラーニャ寺院の氷の参道に足を踏み入れた。
階段を下りると、幅3メートル弱の氷の橋が、寺院を回り込んで続いている。
欄干もない、ただ氷を削っただけの橋だ。
上を見上げると、湖の氷を通して陽の光が差し込んでいた。
湖面は陽を反射し、きらきらと白い光を放っている。
「すげー!この寺院、氷の下にあるんだ!」
ティーダは口を開けて、湖面に突き刺さるように建っている寺院を見上げる。
「この湖の氷は、祈り子が発する凍気の影響で、一年中溶けることがないの」
「へぇ~」
アヤの説明に、感嘆の声を上げた。
さしずめ、氷の中の神殿と言ったところだろうか。
「おい、余所見をしていると落ちるぞ」
「へ?おわっ!」
アーロンが忠告するそばから、ティーダは足を滑らせた。
隣にいたワッカが、慌てて助け上げる。
やれやれと、アーロンは深いため息をついた。
寺院の扉が見えてくると、リュックとティーダは走り出した。
扉を開けて、中へ入ろうとすると
「お待ちなさい!ここは、アルベド族が来てよい所ではありません」
ひとりの僧官が、リュックを見とがめる。その後ろから、アーロンが執り成す。
「この娘は、ユウナのガ-ドだ」
「アルベド族がガ-ドですと?」
「本当よ」
アヤも前に進み出た。
「貴女はアヤ様ーー幾らアヤ様のお言葉でも、信じられませんな」
反エボンの典型とも言える、アルベド族がガ-ドを勤めていると言われ、僧官は俄かには信じられなかった。
そんな対応に、リュックは想いの丈をぶつける。
「あたしは、ユウナを守りたいだけ。誰にも文句は言わせない」
「そういうことだ。ガ-ドに血筋は関係ない」
僧官の許可を待たずに、アーロンは扉を開ける。
リュックとアヤが、それに続いた。
「や、やむを得ませんな」
リュックの気迫に押され、しどろもどろで許可を出した。
一番最後になったワッカが、僧官にエボンの祈りを捧げる。
それを受けた僧官は、少しだけ安堵の色を浮かべた。
「よいですな。祝いの吉日故、くれぐれも面倒無きように」
「は、はい。わかりましたでございます」
ワッカは、慌てて頭を下げた。
寺院の大広間に入ると、トワメルが忙しく立ち働いていた。
それでも、入って来たティーダ達を見つけ、笑顔を向ける。
「おぉ、ガ-ドの皆様。ようこそおいで下さいました。
皆様のおかげで無事に、ユウナ様をご案内出来ました。心より感謝申し上げます」
「ユウナは?」
「ユウナ様は、シーモア様と祈り子様に会いにいかれました」
ティーダは、指示を仰ぐようにアーロンを見る。
「控えの間で待とう」
皆が頷くと、トワメルは上機嫌で語る。
「シーモア様とユウナ様は、人とグアドの架け橋となるでしょう。
さてさて、式の準備を始めなければなりませんな」
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