21話 冷戦
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旅行公司を後に、マカラーニャ寺院に向かって歩き出した。
自分の隣りを歩くルール-に、アヤは話しかける。
「迷惑かけて、ごめんなさい」
「迷惑だなんてーー元気になられて良かった」
言葉には出さなかったが、アーロンと何かあった事は、ふたりの様子で察しはついた。
わだかまりが溶けたのかしら
思い詰めていた表情がなくなり、自分達から離れて立っていたアヤが、同じ輪の中に居る気がした。
氷の道のりをどれだけ歩いただろうか。
もうとうに、旅行公司は見えなくなっていた。
寺院に近づくにつれ、氷の平地が広がる。
「おい、何か聞こえないか?」
ワッカが辺りを見渡しながら言った。
「え?何もーー」
ティーダが返事を返し切らない内に、エンジン音と共に四人の男達がスノーバイクに乗って接近してくる。
男達はバイクを乗り捨てると、ティーダ達を取り囲んだ。
「なんだ、コイツら!?」
「アルベド族だ!」
「リューーック!」
氷の壁の上に、男が立っていた。
「ギタヤヌウハナ、ヨミユダワミセガ!」
男が叫んだ後、横に巨大な機関銃を装備した機械が現れた。
と、当時に回りにいた男達が彼の方へ走って行く。
「マホウムクフギヨレセタウ!」
また何か、男が叫んだ。
「リュック!通訳!」
言葉がわからないティーダは、リュックに訊ねる。
「魔法を封印しちゃうって!」
「えっ?」
ルール-が信じられないと言った顔をする。
「仕方ない!やるぞ!!ルール-、下っていろ!」
アーロンはルール-を下らせ、刀を構えた。
破壊力はあるが、小回りが効かない機械の死角に回り込み、一点集中で攻撃した。
鈍い爆発音と共に、機械は沈黙した。
「リュ-ック!トタギシミミユチウアナハ!」
男が叫ぶと、リュックも言い返す。
「ワサチ!ユウナオガ-ドシハユサアナ!ユウナオガミギモーズ!
インハベヤユウアナ、ガミギモーズ!」
「ゴフハユセユキナメネアナハ!」
リュックの言葉に、男は捨て台詞らしきものを吐いて走り去った。
「あははは、ガ-ドになったって言っちゃった。仕方ないよね」
ワッカに凝視され、リュックはぎこちない笑いを浮かべる。
「何で、アルベド族の言葉知ってんだ?なあ?」
ワッカの質問に、リュックはこれ以上隠せないと、真実を告げる。
「あたし、アルベド族だから。あれ、あたしのアニキ」
俯いて打ち明けるリュックに、ワッカは驚かないティーダ達の顔を見渡す。
「知ってたのかーー」
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