21話 冷戦
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ユウナが寺院へ向かい、アヤを部屋で休ませている間、ティーダ達はフロント横にあるテーブルを陣取り、休息していた。
リュックが、宿に頼んで淹れて貰った珈琲を運んでくる。
それをみんなに配ると、ワッカは早速口に運んで、浮かない顔でボヤいた。
「やっぱよぉ~こんな暗い気分になる結婚って、変だよなぁ」
「今更止めろよ」
ティーダも一口飲んだ。
「やっぱ、アヤが淹れた方が美味いな」
ミヘン街道で飲んだ味を思い出した。
「アヤさん、どうなんだ?」
少し改まって訊くワッカに、ルール-はため息をついた。
「体に残った毒は消したけどーー」
「けど?」
ミルクと砂糖をたっぷり入れたカップを、両手で持ったリュックが首を傾げる。
「要人警護やシンの討伐で、スピラ中を廻っていたみたいなの」
ルール-は、ミルクだけ入れた。
「そこへもって、ユウナのガ-ドかーー」
「疲れっスかね」
背もたれに寄りかかると、頭の後ろで腕を組んだ。
「アーロンさんとのことも、気になるのよね」
「なになに?痴情のもつれ?ーーいった~い!」
ルール-がリュックの頭をぶつと、ティーダとワッカが笑った。
「ユウナも、知らないのか?」
まだ笑いが治まっていないティーダが、ルール-に訊ねる。
ティーダが、ユウナの名前を出すと、フロントで手続きをしている老人が振り返った。
「おや、これはこれは。ユウナ様のガ-ドの皆さんではありませんか」
にこにこと笑いながら近づいてくる好々爺を見て、ティーダは声を上げる。
「あんた、ミヘン街道にいた爺さん?」
「はい、ご記憶されておられましたか。いやはや、嬉しいですな」
テーブルに近づいて、皆の顔を見渡した。
「それはそうと、ユウナ様はシーモア老師とご結婚なさるとか。
おめでたいことですな。婚礼とあらば、見物せねばなりませんなぁ。
めったにない明るい話題ですから」
「そんなに、暗い話題ばかりなのか?」
少し身を乗り出し、メイチェンの顔を見る。
「シンがいる限り、仕方がありますまい」
その言葉に、ワッカとルール-は伏し目がちに、手元のカップを見ていた。
キマリは目を閉じ、腕を組む。
「しかし、些か残念ですなぁ。ユウナ様ならシンを倒して、ナギ節を作って下さると思うたがーー」
メイチェンは喜びながらも、顔を曇らせた。
大召喚士の娘であるユウナに、期待していたのだろう。
「ユウナは結婚しても、旅を止めないってさ」
「おお!それはそれは。素晴らしい覚悟ですなぁ」
ティーダがユウナの意志を伝えると、メイチェンは満面の笑みを浮かべた。
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