20話 父の願い 友の想い
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大丈夫だと言いながら、ベッドに横になると、アヤはすぐ眠りについた。
「まだ、顔が青いね・・」
リュックが小さな声で言う。
「そうね」
体の中に、毒が残っているのかもしれない。
それにしてもーー
ルール-は、あの時のアヤの言葉とアーロンの態度が気になっていた。
十年前、ビサイドに来た時は、本当に仲睦まじかったのに。
あの後、何があったのだろう。
「ルール-」
自分の名を呼ばれ、ハッと顔を上げる。
アーロンが部屋に入って来たことに、気づかなかった。
遠慮がちに立つアーロンに、声を掛ける。
「アーロンさんーー」
「どんな様子だ」
ルール-は、アヤに視線を戻す。
「魔物に毒があったようです。でも、ユウナの魔法で消しましたから、しばらく休めば大丈夫かと」
「そうかーー」
アーロンは目を伏せた。
「あの、アーロンさん」
「悪いがーー」
何か言いかけたルール-を遮るかのように、アーロンは口を開いた。
「ふたりにしてくれ」
ルール-は、アーロンを見つめた。
アーロンも、黙ってそれを受け止める。
「わかりました。何かあったら、呼んで下さい」
立ち上がると、リュックの手をとった。
「行きましょ」
「え~?」
不満げなリュックの手を引いて、ルール-は部屋を出た。
扉が閉まると、カーテンが引いてある部屋に、薄く闇が堕ちる。
アーロンはそこから動かずに、眠るアヤを見つめた。
回復しきれていないせいか、アヤの陶器のような肌は、薄い闇の中で一層白く浮き立っている。
十年前はまだ幼かった顔立ちが、すっかり女へと変貌していた。
あぁ、ブラスカが言っていたな
あの娘は綺麗になるよ、アーロン
自分の娘のことのように、楽しそうだった
眠っているアヤを起こさないように、足音を立てずにベッドに近づく。
その端にゆっくり腰を下ろすと、ベッドはわずかに軋んだ。
アーロンは手を伸ばし、アヤの頬に触れる。
サングラスを外すと、アヤに体重を掛けずに覆い被さった。
寝息をたてるアヤの唇に、自分のそれを近づける。
一瞬の躊躇いのあと、唇に触れた。
唇が触れると、アーロンは眼を閉じた。
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