20話 父の願い 友の想い
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森の終わりには、白い世界が広がっていた。
その、青と白の境の地にある木々は、水晶と雪で化粧が施されていた。
「う~相変わらず、さみーな」
雪を踏みながら、ワッカが腕をさする。
ティーダも白い息を吐いた。
「マジ、寒いっス」
「そのうち慣れるわよ」
「ルールー寒くないの?」
ルール-の、胸元が大きく開いた服を見て、リュックは疑問に思った。
「黒魔道士は、自分の回りの温度を、炎や氷の精霊エネルギーで変化させられるのよ」
「ふ~ん、便利だね」
自分の説明を聞いて、子どもじみた感想を言うリュックに、ルールーは笑った。
「あ、あれがそうかな?」
ユウナが示した先に、ミヘン街道や雷平原にあったものと、同じような建物が見えた。
「あ~!チョコボだ~!」
旅行公司の脇に、チョコボが繋がれている。
リュックが珍しそうに眺めている。
「ルチル隊長たち、河を渡れたんだな」
噂をすれば、ルチルとエルマが旅行公司から出て来た。
「アヤ様!」
ルチルは、ティーダに背負われたアヤを見るなり、駆け寄った。
「ちょっと、ケガをしたっス」
ティーダは努めて明るく言った。
「大事はないのですね?」
怪我の具合を確認すると、ユウナも安心させるように補足する。
「傷もふさがっています」
ルチルはホッと息を吐いた。
「そうですか・・」
エルマも安心したのか、笑顔を見せる。
「そういえばユウナ様。ご婚約のこと、おめでとうございます」
もう、こんな所まで噂が広まっているのかと、驚いた。
「シーモア老師の使いが、迎えに来てるんです。その人から聞きました」
エルマは旅行公司を見る。
「ユウナ様の結婚式が終わるまで、寺院の警備を手伝うことにしました。
お祝いを邪魔する奴がいたら、私達が退治します!」
勢い巻くエルマに、ユウナは困った顔で笑う。
「では、私達は先に出発します。アヤ様のご回復を、心より祈っております」
敬礼をすると、ルチルとエルマはチョコボを連れ、去って行った。
「ーールチル?」
背中から聞こえた声に、ティーダは肩ごしに振り返る。
「アヤ、気がついたっスか?」
ティーダの笑顔を間近に見て、アヤは顔を赤くした。
「どうしたの?顔、赤いよ」
リュックに指摘され、消え入る声で呟いた。
「恥ずかしいーー」
自分の状況に照れて、アヤはティーダの肩に顔をうずめる。
「おい、降ろせ」
後ろから響く、アーロンのドスの効いた声に、ティーダは慌ててアヤを降ろす。
『やっぱり、気に入らなかったんだ・・』
キマリを除いた全員が、心の中で思った。
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