20話 父の願い 友の想い
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バルテロと別れしばらく進むと、大木が密集して、壁のように塞いでいる道へ出た。
僅かに残っている細い道を通り抜けようとすると、アヤが呼び止めた。
「ちょっと待って、アーロン」
先に行くアーロンを、アヤが呼ぶ。
訝しげに振り返るアーロンに、アヤはこの辺りだと指を差す。
「あぁーーそうだったな」
アーロンは、大木を見上げてティーダを呼び止めた。
「なんスか?」
ティーダがそばへ行くと、ユウナ達も集まってくる。
「お前に見せたいモノがある」
「でも、アーロンさん」
もうすぐマカラーニャの森を抜けられる。出来れば時間を割きたくない。
ワッカ達も何事かと、アーロンを見る。
「ユウナ、すぐに済むわ」
アヤも、ティーダに見せたいらしい。
不思議そうに皆が見守る中、アーロンは肩に乗せている刀を構えた。
二度、三度と、大木の根元を斬りつけると、また刀を肩に乗せた。
アーロンの前には、ひとひとりが通れる隙間があいていた。
その隙間から中へ入るアーロンのあとを、アヤが追った。
皆も続いて入って行く。
そこは、神秘的な森の中でも、更に神秘的な場所だった。
道の先には泉があり、廻りに群なす木々の根は花のように裂き別れ、泉を飾っているように見えた。
泉の中には、取り分け大きな木があり、枝や根は大輪の花となっている。
頭上を覆う枝も無く、太陽の光が泉を照らしていたが、この神秘的な様子に空も遠慮しているようにも見える。
「ここって、普通の水じゃないのか?」
泉を見ているアーロンに近寄った。
アヤが泉に浸かり、何かを探している。
「スフィアの原料となる水だ。人の想いを封じ、留める力がある」
やがて、水に浸っていた目的の物を見つけ、声を上げる。
「あったわ!」
見つけたスフィアを、ティーダに手渡した。
ワッカが興味深げに寄ってくる。
「随分古いな。こりゃ中身消えてっかもな」
「10年前、ジェクトが残したスフィアよ」
「えぇ!?」
アヤの説明に、皆から驚きの声が上がった。
「見てみろ」
「お、おう」
アーロンに促されて、ティーダは躊躇いがちにスフィアのスイッチを入れる。
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