19話 雷の夜
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次の朝、朝食をすませた全員が、フロントに集まっていた。
リュックは出入口の前で、耳を塞いでいる。
「放って置くと、いつまでも、ああしているな」
「はは、じゃあ、リュックのケツ引っ張ったいて、出発しますか」
アーロンのぼやきに、ワッカが苦笑する。
いつも賑やかなティーダが、今朝は大人しい。
訝しんだルールーは、ティーダに声を掛ける。
「ユウナと、喧嘩でもしたの?」
ティーダは、笑ってごまかした。
「雷、やまないね」
「期待していたわけでもあるまい」
鳴り響いた轟音に、リュックは悲鳴を上げる。
「一生やってろ」
悲鳴を聞いたアーロンは、リュックに捨て台詞を残して旅行公司を出た。
リュックは、恨めしそうにアヤを見る。
「もう~アヤの嘘つき~。全然、優しくないじゃん!」
アヤは、ルールーと顔を見合わせ、苦笑する。
「負けないぞぉ!負けるかっちゅーの!!」
アーロンの、冷たい態度に奮起したリュックは、勢い良く外へ出た。
昨日と同じように、雷が落ちる平原を歩く。
リュックは、相変わらず怯えながらだったが、昨日よりは、足取りがしっかりしていた。
ルールーとアヤが、前を歩くユウナの、元気がない事を気にかけていた。
「ユウナ、何かあったのかな」
「ジスカル様の件ーーかな」
ルールーは、異界へ行った時の事を、アヤに話した。
「そう、そんな事があったんだ・・」
ジスカルの死と、ユウナに結婚を申し込んだ事がどう繋がるのだろう。
アヤが考えを巡らせていると、ユウナがふいに立ち止まった。
「みんな、いいかな」
思い詰めた顔で、話を切り出した。
「どうした?」
何事かと、皆も立ち止まる。
「聞いて欲しい事があるの」
「ここで?」
「もうすぐ終点だしょ。さくさく行っちゃお~よ」
「今、話したいの!」
珍しく大きな声を出すユウナに、アーロンは避雷塔の下に雨が降り込まないよう、屋根が張り出している宿り場を指差した。
「あそこで聞こう」
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