18話 グアドサラムにて
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リュックは、手すりから降りると、アーロンに近づいた。
「ねぇおっちゃんさ、何でアヤにあんなこと言ったの?恋人なんでしょ?」
「何故、お前が知っている?」
リュックは、意外な顔をした。
「だって有名じゃん。伝説のガードのアーロンとアヤは、恋人同士て」
「お前には、関係ないことだ」
「ふ~ん。じゃあ、あたし~アヤの様子、見てこよ~と」
腕を頭の後ろに回すと、踵を返した。
「余計なことをするな」
苦しげな顔で引き止めるアーロンにかまわず、リュックは歩き出す。
アーロンの廻りに、幻光虫が漂っている。
「関係ないあたしが、なにしよーと勝手でしょ」
リュックはそう言い放つと、来た道を戻って行った。
「でーーどう?」
「うん、決めたよ」
近づいて訊ねると、ユウナははっきり言った。
「そ、そりゃ良かった。で、どっち?」
焦るティーダに、落ち着いて答える。
「10年前、父さんがシンを倒した時のことを思い出したの。ベベルの街は大騒ぎだった。
みんな笑っていて、とても楽しそうだった」
ユウナは少し、悲しみを滲ませた。
「シンを倒すのが、一番の明るい話題、だよね?あれもこれもって、欲張っちゃっダメだよね」
「じゃ戻る?シーモアに返事するんだろ?」
ユウナの出した結論に、安心したティーダは、先を急かした。
「その前に、ジェクトさん・・呼んでみない?」
「え?」
「大丈夫、きっと来ないから」
思わないようにするのは、思うのと同じなわけでーー
「ほら!来ない!」
ユウナは喜びの声を上げる。
オヤジはシンだから
ここには、来ないってことか?
「きっと、どこかで会えるんだよ」
はしゃぐユウナの声にも、上の空だった。
本当にオヤジがシンだったら
俺は、ユウナやスピラの人達に、なんて謝れば
いや!どうして俺が、アイツの代わ謝るんだよ
「最低だな・・オヤジ」
「ねーーどうして、そんなに嫌いなの?」
ユウナが接したジェクトは、優しくていいひとだった。
「いちいち腹が立つんだよな、アイツ。アイツのせいで俺と母さんはーー」
幻光虫が集まりはじめ、想う者の形を成した。
「ーー母さん。はは・・出て来ちゃった」
「綺麗な人だね」
ユウナは素直に言った。
「あれ?母さんは異界送りなんてされなかったのにーー」
「生きてる時から、死を受け入れていたんだよ」
母親が異界へ旅立ったのは、自然なことなのだろう。
「ひどいな、それ。俺、いたのにな。俺じゃあ、母さんの心の糧には、なれなかったってことかーー」
「あ・・ごめん」
「ん、いいんだ。あ、なんか、わかっちゃった」
ティーダは、泣き笑いの顔をした。
「何が?」
「オヤジが嫌いな理由」
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