18話 グアドサラムにて
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「ようこそ、皆さん」
シーモアは、広間の上座に立つと、優雅に挨拶をする。
「あのーーお話って?」
ユウナは、恐る恐る用件を切り出した。
「そう、結論を急がずに」
「ユウナは先を急ぐ身だ。手短に済ませて貰いたい」
アーロンの不機嫌な催促に、シーモアは動じることなく、返事をする。
「失敬。久方ぶりに客人を迎えたのでついーーユウナ殿、此方へ」
ユウナがシーモアの元へ向かうと、突然足元に、星の海の映像が映し出された。
部屋の中は銀河へ変わり、無数の星が彼方から流れ、去っていく。
目の前に赤い大地の星が浮かび、遠くには星雲が輝く。
「これは、異界を漂う死者の思念から再現した、貴重なスフィアです」
ユウナのそばへ歩み寄り、シーモアは語る。
映像が替わると、まるで透明な乗り物に乗っているかのごとく、足元が急降下する錯覚に捕らわれた。
そこに現れたのは
「ザナルカンド」
ティーダは、思わず呟いた。
「そう、ザナルカンド。凡そ、千年前の姿です」
夜でも真昼のように明るく、地上の光りに、星の海さえも霞む。
彩り豊かな電飾の文字が、街を語る。
始めて見るザナルカンドに、皆は目を見張るばかりだった。
街を歩く人の波が向かう先は、きっとスタジアムだ。
ティーダは、懐かしさに泣きそうになった。
「繁栄を極めた機械じかけの街、ザナルカンド。彼女は、ここで暮らしていました」
シーモアの言葉に、アーロンは皮肉な笑みを浮かべ、アヤは露骨に厭な顔をした。
「彼女?」
ユウナはシーモアを見上げると、不思議そうに訊ねた。
シーモアに、憧れとも憎しみとも取れる、笑みが広がっていく。
いつの間にか、街並みは終わり、何処かの部屋の中に景色は変わっていた。
大きな鏡に、壁一面に描かれた花。
天蓋付きのベッドには、ひとりの美しい女性が腰を下ろしている。
全員が、その女性に注目した。
「ユウナレスカ様!」
ユウナは、歓喜の声を上げる。
「歴史上、始めてシンを倒し、世界を救ったお方です。そして、貴女はその名を受け継いでいる」
「父が、付けてくれたそうです」
シーモアは、微笑んだ。
「ブラスカ様は、貴女に願いを託したのでしょう。ユウナレスカ様のごとく、シンに立ち向かえと」
シーモアの言葉に、ユウナは誇らしげに頷いた。
「しかし、ユウナレスカ様は、おひとりで世界を救ったのではありません」
ユウナレスカの姿に、シーモアは祈りを捧げた。
「無敵のシンを倒したのは、ふたりの心を固く結んだ、永遠に変わらぬ愛の絆」
部屋の鏡に、男性の姿が映った。
皆が一斉に振り返る。
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