18話 グアドサラムにて
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【異界の告白】
幻光河で、リュックがガードに加わってから、パーティーは一気に賑やかにーーいや騒がしくなった。
そんな一行がグアドサラムについたのは、太陽が真上から少し傾いた頃だった。
グアドサラムは、大木の根が絡み合った空洞を利用して出来た集落だ。
一日中、太陽光線が届かない中は、店や街灯の灯りも蝋燭の焔で照らされている。
立体交差された枝を利用して、民家や店が建ち並んでいた。
大木をくり抜いた、集落の入り口をくぐり抜けると、ひとりのグアド族が現れた。
「お待ちしておりました、ユウナ様。ようこそグアドサラムへ。さぁ、此方へ」
「なんなんだ、あんた」
ユウナの手を取ろうとするその男の手を、ワッカは止めた。
「これは失礼」
ワッカに咎められ、男は慌てて一礼した。
「わたくし、トワメル=グアドと申します。グアドの族長、シーモア=グアドの身内の者でございます。
シーモア様が、ユウナ様に大切なお話があるそうでーー」
「私にですか?どんなお話でしょう?」
「ともあれ、まずはシーモア様のお屋敷へどうぞ。もちろん、皆様も歓迎致しますよ」
トワメルは満面の笑みで、一行を見渡した。
先に立って歩くトワメルを見ながら、リュックは不満げに呟く。
「な~んか強引だよね~」
屋敷へ案内され、エントランスで待つように言うと、トワメルは扉の向こうへ消えた。
ティーダは、階段に飾ってある肖像画を眺めている、ルールーの隣りへ行った。
「歴代の族長ね。グアド族の」
ルールーは、質問がくる前に教える。
「み~んな、同じ顔だ」
「シーモア老師だけは、違うよな」
ワッカも、隣りに来て眺める。落ち着かないようだ。
「そうね、シーモア老師は、先代の族長ジスカル老師と、人間の女性との間に生まれた子だからね」
納得すると、ティーダはユウナの元へ行った。
「どんなお話しなのかな」
ユウナが不安を隠せずに言うと、キマリが憮然とした態度で云う。
「キマリは、シーモア老師が気に入らない」
「しーっ!」
ユウナは焦って、キマリの腕を掴んだ。
「待たせるわねーー」
奥への扉を見ながら、アヤが呟いた。
「何を勿体ぶってるのやら」
アーロンは、些かうんざりした顔だ。
その時、扉が開きトワメルが姿を現した。
「どうぞ、こちらへ」
大広間へと一行を案内した。
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