17話 幻光の中の真実
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「次、どこだっけ?」
左手に海を見ながら、参道を歩く。
ジョゼ海岸への分かれ道で立ち止まり、改めて進路を訊ねた。
「幻光河を渡るの」
「へへへー」
ルールーの幻光河の言葉に、ワッカはニンマリと笑う。
「河でよ、見せたいものがあるんだよな」
「何?」
「行けばわかるって!」
ワッカは先に立って歩く。
ひたすら北を目指して歩くと、見覚えのある長身が立っている。
ルカのカフェで、キマリに絡んでいた二人だ。
「また、キマリを嘲りに来たか」
前に進み出るキマリに、ビランとエンケは顔を見合わせる。
「違う、小さなキマリに忠告しに来た」
「召喚士が消え、帰らない」
「次はキマリの召喚士の番だ」
「哀れなキマリ!ツノを無くし、召喚士も無くす!惨めなキマリ!ひとりで泣き叫べ!」
ぞんざいな態度で、忠告とも嘲笑ともとれる言葉を残し、二人は立ち去った。
「あいつらさ、キマリに恨みでもあんのか?」
度重なる、二人の態度に腹を立てるティーダに、違うとキマリは首を振る。
「じゃあ、ただの嫌がらせ?」
「いつか、ケリをつける」
他を寄せ付けない響きがあった。
「気になるわね」
「ロンゾ族の問題は、ロンゾが解決する。昔っからのしきたりだぞ」
「そうじゃなくてーー召喚士が消えるってこと」
「確かに、こんなことはじめてだわ」
アヤも戸惑いを隠せない。
「突然、消えるわけでもあるまい」
三人の会話にアーロンが口を挟む。
「ま、ガードがしっかりしてれば、大丈夫ってことだ」
ミヘン街道でアーロンが言ったことを、今度はティーダが口にする。
「言うわね」
「へへン!」
してやったりと得意になるティーダに、ユウナが微笑む。
「組織的なものを感じるわねーー」
再び幻光河へ向かって歩き出すと、アヤが独り言のように呟く。
「裏で、糸を引いている者がいると、言いたいのか?」
前を向いたまま、アーロンが疑問を投げ掛ける。
「殺さないで攫っているとしたら、ひとりじゃ出来ないでしょう?ガードがついている筈だもの」
「だとしても、余り頭のいい奴らではないな」
アヤはアーロンを見上げた。
「どうして?」
アーロンは体ごと向きを変え、正面からアヤを見据えた。
「考え方が、短絡的過ぎる。召喚士がいなくなっても、この世界の螺旋は終わらない」
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