15話 ミヘン・セッション
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高台から、ティーダが走り出したのを見て、ユウナは叫んだ。
「皆さん下がって!召喚します!!」
「無駄です!」
シーモアの強い口調に、ユウナは振り向いた。
「今の貴女には、無理です!」
「でも、何かしたい!!」
ユウナの必死の訴えにも、シーモアは黙って首を振った。
「ユウナ殿!」
尚も召喚しようとするユウナを、シーモアは止めた。
何でシンを追いかけたのか、自分でもよくわからない。
頭ん中ぐちゃぐちゃでーー気がついたら、アイツを追いかけてた。
シンへの怒りとか
帰りたいとか
ザナルカンドのこととかーー
オヤジのこととかーー
『ジェクトは練習嫌いだから、もうすぐ引退なんだってさ』
『勝手に言わせておけ。俺は特別なんだ』
『ジェクトは酒浸りだから、もうダメだってさ』
『酒ぐらい、いつだってやめられるさ』
『じゃあ、今やめなよ』
『なんだあ?』
ジェクトの怒りを含んだ声にも、幼いティーダは怯まなかった。
『やめられるんでしょ?』
『へっ!明日にでもな』
『どうして、今日じゃないのさ』
『明日出来る事は、明日やればいいんだよ!』
ジェクトの苛ついた声に、思わずティーダは泣き出す。
『どーして泣くかねえ・・なっさけねえ』
シンに、オヤジを感じた気がした。
俺はオヤジのことが嫌いだ。
でも、ブリッツで負ける姿を見るのは、もっとイヤだった。
周りが、オヤジの限界を声高に言っているのがイヤだった。
その想いが伝わらないのが、悔しかった。
悲しかったーーんだと、思う。
ティーダを追って海に入ったアヤは、辺りの景色が変わった事に気付いた。
「・・ザナル・・カンド?」
『・・・』
「・・ジェクト?」
『・・アヤ』
「これが・・ザナルカンドなんだね」
『あぁ・・アヤ・・・泣くな』
「だって・・」
『俺が、それを望めって言ったんだ』
「でも・・」
『アーロンと、何があったか知らねえが・・許してやれ・・アイツ、悔やんでる・・』
急に、意識が遠ざかりはじめた。
「毒気?」
遠ざかる意識の中で、ジェクトの声が聞こえた。
『あいつをーー頼む』
完全に、意識が途切れた。
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