15話 ミヘン・セッション
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海上で放たれた重力波の衝撃で、高台にいたユウナたちは意識を失った。
意識を取り戻したユウナが見たものは、ティーダたちが動きを止めた筈の、魔物と対峙しているシーモアだった。
魔物を見ているシーモアの眼には、歪んだ悦びが浮かんでいた。
「シーモア老師!」
「下っていなさい、ユウナ殿」
駆け寄ってくるユウナに、いつもと違い厳しい声で命じた。
シーモアが翳した杖から、無数の紅い光が放たれ、弧を描いてコケラのからだの中に消えていった。
一瞬の沈黙の後、からだの内側から、何度も爆発が起こる。
コケラはからだを仰け反らせ、悶え苦しんだ後、幻光虫へと変わることなく消えてしまった。
「みんなは!?」
ユウナは、浜辺へ向かったティーダたちを気づかい、様子を窺う。
ようやく準備が整った大型兵器が、雷砲を発射しようとしていた。
砲撃手は、標準を合わせると、発射ボタンに拳を叩きつけた。
雷砲をうけた、シンの動きが止まった。
全員の期待が集まる。
が、シンの重力波がそれを押し返した。
重力波をまともに喰らった大型兵器は、砂塵を上げ、音を立てて崩れ堕ちた。
絶望が雲のように、辺り一面を覆った。
ティーダは、浜辺へ脚を踏み入れた時にシンの重力波の衝撃を喰らい、気を失った。
しばらくして意識を取り戻し、辺りを見渡す。
眼にしたのは、累々と横たわる死体と、砂に埋もれる兵器の残骸だった。
ティーダの後を追って、アヤとワッカも浜辺へたどり着いていた。
「うあああああぁ!!」
聞こえてきた叫び声に、三人は駆け出す。
「何で!?先輩!」
「ガッタ!?」
ワッカが、真っ先に駆け寄った。
そこには、ルッツの遺体にしがみつくガッタの姿があった。
「バッカ野郎!」
変わり果てたルッツの姿に、ワッカは地面に拳を突き刺した。
「どうして・・どうしてだよ!嫌だ・・もう嫌だよ!こんなの!!」
ティーダも、アヤもワッカも、掛ける言葉が見つからなかった。
破壊の限りを尽くしたシンが、沖へ向かおうと、ゆっくり向きを変える。
泣き崩れるガッタを見て、ティーダはシンへの怒りを爆発させた。
「おまえ、なんなんだよ!!」
「ティーダ!」
海へ走り出したティーダを、アヤは追った。
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