14話 理由
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
テントの中で、どれくらい眠れたのだろうか。
ジョゼ海岸に着いてから、ずっとチャップのことを考えていた。
両親を失ってから、ふたりで生きてきた。
俺は兄として、父親代わりとして。
あいつは弟であり、俺の息子でもあったんだ。
だから、厳しくしてきた。
大人になって困らないように。
好きな女と家庭を作って、いつまでも平穏無事に生きていけるように。
願っていたのは、それだけだった。
テントの外が騒がしくなってくる。
外を覗くと、太陽はまだ昇っていない。
夜に向かう闇より、朝に向かう闇の方が明るいのだろう。
討伐隊員たちは慌ただしく動いていた。
「はじまるのね・・」
後ろからルールーの声がした。
どこか、他人事のような言い方だった。
いつの間に目覚めたのか、全員起きていた。
「ちぇっ、失敗確実だっつーのによ」
吐き捨てるように言うワッカに、ユウナが悲しい顔で反論する。
「やめようよ、もう」
ティーダも、ルールーも、キマリも、アーロンも、アヤも、ユウナの気持ちに耳を傾ける。
「無謀な作戦かもしれない。教えに背いているかもしれない。だけど討伐隊も、アルベドの人たちも・・すごく真剣だよ。
寺院から破門されても、みんなシンを倒したいって心から願っている。
その気持ちは、私たちと全然変わらない。
そう思わない?」
「へっ!わーったよ。でもな、俺は機械を認めない。教えに反することは認めない!」
戦いが始まる。
教えに背いて、自ら命を落とすために。
朝陽が昇る
next あとがき.
