14話 理由
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テントへ入っていくと、案の定、ユウナが飛びついて来た。
「ユウナ、驚かしてごめん」
床に座り込んでいるみんなの顔を見渡した後、アヤは目を伏せた。
「ワッカ、ルールー、騒がせてごめんなさい」
ふたりは、気にするなと首を振った。その様子に、アヤは安堵する。
「ティーダ、ありがとう。キマリも」
ティーダは照れ笑いを浮かべ、キマリは頷いた。
準備されたテントは、造りは簡単だったが、広さは充分にあった。
ガッタが用意してくれた毛布にくるまり、好き勝手な場所に横になる。
アーロンは刀を脇に置き、テントにもたれて片膝を立てて座った。
ユウナは、ルールーの膝枕で眠りについている。
キマリはそのそばに座り、ワッカとティーダは真ん中で大の字だ。
「コイツ、ガードの自覚がないな」
ティーダの様子を見ながら、小声で言った。
「肝が座ってるんじゃない?」
「鈍感なだけだ」
微かに笑うアヤの手を、アーロンは暗闇の中で捜した。
固く閉じられた右の視界は、陽の下では暗かったが、本当の闇の中では不便はなかった。
その小さな手を包み込めば、アヤの温かさが心地良く伝わる。
「この作戦はー」
自分に浸ることを遮るように、アヤは言う。
「伝説のガードの参加を謳い文句に、種族を問わず隊員を集ったの」
「目的は、なんだ」
「力を誇示するためよ。そのためには、利用出来るものはなんだってーーブラスカのことだって」
アーロンの手の平から自分の手をそっと抜くと、膝を抱え込んだ。
「アヤ、もう休め」
「うんーー」
ユウナの半分眠った頭の中に、アーロンとアヤの会話が微かに聞こえた。
先ほどの、キノックとアヤの姿が脳裏に浮かぶ。
ユウナは、アヤが自分に会いに来てくれない理由を、ベベルに居るのが楽しいからだと思っていた。
今日、垣間見たアヤの置かれた現実に、ユウナは自分の拗ねた思いを恥た。
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