14話 理由
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キノックは、ガッタに命じると司令部へと歩き出す。
そのあとを、アヤが追った。
追いついたアヤがキノックの腕を掴み、何やら必死に訊ねている。
ガッタが、説明をはじめる。
「本作戦は、明朝未明に決行されます」
微かに、二人の会話が風に乗って流れてくる。
「ーーたの?」
「ーーひつーーない」
「それまで、粗末ではありますが、テントをご用意致しました。そちらでお休みください」
「おしえーーのこっーー」
「ーーロンーーほかーーのーーか?」
「ご案内します」
「ーー忘れろ」
「ーーつかいーーべてを?」
ガッタの後に着いて、ユウナたちは歩き出した。
「煩い!」
キノックの怒鳴る声と、『パンッ』と、高い音が聞こえた。
一斉に振り返ると、キノックがアヤの頬を、叩いたあとだった。
自分の頬を抑えて俯くアヤに、更に声を張り上げる。
「おまえなど、ブラスカの旅に同行していなければ、ただの!」
駆け寄ったアーロンが、キノックの肩を、力いっぱいに掴んだ。
「キノック、それ以上言ってみろ」
低く静かな声で、アーロンはキノックを制した。ティーダとキマリも、アヤを庇う。
「女に手を挙げるなんて、サイテーだな、あんた!」
キマリは無言で睨みつける。
「ちっ!」
三人に囲まれ、たじろいだキノックは忌々しく舌打ちをすると、司令部の奥へ消えていった。
キノックが姿を消しても、アヤは顔を上げようとしなかった。
キマリは、ティーダの腕を掴むと歩き出す。
「なんだよ、キマリ」
「いくぞ」
「でも、アヤが」
キマリは、ズルズルとティーダを引きずって、立ち尽くしているユウナたちの元へ行った。
「キマリ・・」
目に涙を溜めたユウナが、キマリを見上げる。
ワッカとルールーは、厳格なエボンの老師とは思えない言動に、言葉を失っていた。
「心配ない。アーロンがついている」
そう言うとガッタを促し、テントへ案内させた。
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