14話 理由
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「アヤ、アーロンは知るべきだと思う。おまえがこの10年間、どうやって生きてきたかを」
二人から視線を離さずに、キマリは言った。
それでも、不安げに自分を見上げるアヤに
「別にアーロンを責めるつもりではない。ただ、おまえは自分からは言わないだろう?」
「あーー」
何も言えなくなってしまった。
この10年の間に、キマリが訪ねてきたのは数える程だ。
隠くすつもりもなかったが、多くを語り合ったわけでもない。
それでも、色々見抜かれているのだろう。
それに、アーロンとキノックの会話に、口を挟める者はいない。
「ナギ節が訪れたのはいいが、ガードを勤めたおまえも、もう一人のジェクトという男も行方が知れない。
アヤに聞いても、知らないの一点張りだ。
民衆はナギ節を喜んでいればいいが、寺院はそうはいかん」
キノックは、ユウナに一瞥をくれる。
「大召喚士ブラスカの栄誉を讃えつつ、シンの復活に備えなければならん。
伝説のガードとなったアヤは、その存在だけで、人々に希望を与える。
エボンの教えを信じていれば、また、ナギ節が訪れるとな」
何も言い返さないアーロンに、キノックは優越感を覚えた。
この男より、自分の方が上だと。
「おまえがやるべきことを、アヤに代行させたまでだよ」
「アヤを、利用したのだろう」
「人聞きの悪いことを言うな。英雄として、祭ったのではないか」
その時、キノックの後ろにガッタが現れ、敬礼した。
「キノック老師、召喚士様と、ガードの皆さんの宿泊準備が整いまーーした?」
ガッタは、その場に漂う気まずい空気に戸惑った。
「作戦を説明したあと、案内してやれ」
「はっ!」
キノックは、ガッタに命じた。
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