14話 理由
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【不遜の友】
司令部に行くために、アルベド族が設置した、昇降機の前に移動した。
次々に乗り込む中、ワッカだけは、難色を示す。
「ワッカ、早く行こうぜ」
「でもよ~」
「乗らないの?」
煮え切らないワッカを、アヤも催促する。
「でもこれに乗らないと、先に行けないわよ」
「なあ、シーモア老師も、これに乗ったのか?」
警護にあたっている兵士に訊ねる。
「はい、先ほどご利用になりました」
ワッカは渋々、昇降機に足をかけた。
昇降機で上に上がり、ジョゼ海岸を真下に見下ろせる、高台に移動した。
アルベド族の小型兵器が、一定の間隔で海に向かって設置されている。
この下の浜辺で、去年展開された『ジョゼ海岸防衛作戦』で、ワッカの弟チャップは命を落とした。
複雑な想いで浜辺を見下ろしていたワッカが、兵器に近づく。
「くそったれ!」
討伐隊員が、準備に余念のない中、兵器を思い切り蹴った。
「いっつ!」
蹴った痛みに、ワッカは足を押さえてうずくまった。
その様子を、ティーダとルールーが見ていた。
「ほんっとに、キライなんだな」
「チャップはねーーワッカが贈った剣を島に置いていったの。
そして、アルベド族が作った機械の武器を手に入れた」
「そんなことは関係ねえだろ!教えに反する機械がキライなだけだ!」
ワッカは、自分の心を見透かされた気がして、ムキになって反論した。
兵器の間を縫う様に歩いて、司令部の前にたどり着いた。
ルチルが迎えに現れる。
「召喚士さま、キノック老師もいらっしゃいました」
「キノック様もですか?」
「はい、ユウナ様もお急ぎください」
「なんで、エボンの重鎮がお二人もーー」
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