あなたと過ごす日々
夢の入口へようこそ
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季節は今まさに移り変わろうとしている時だ。
吐く息が白く雪もぱらぱらと降っていた二月を越え三月の終わり頃、徐々に気温も上昇しそろそろ桜も咲くのではないだろうかとニュースが流れている。
その音声を聞き流しながら部屋中のダンボールから荷物を取り出す。梱包資材とダンボールがあちらこちらに広がっているが面倒になり荷物を取り出したあとそのまま床に横たわった。
私たちは二日前に引っ越しをした。と言っても、今中学二年生の私が関係してそれほど離れた場所では無いが。
父さんは長期出張中で、前の家には母さんと私とばあちゃんがいた。出張に行った父さんとほぼ同じタイミングでじいちゃんを亡くした、一人暮らしのばあちゃんを気遣って三年前からばあちゃんの家に住んでいた訳だがそのばあちゃんが一ヶ月前亡くなったので新しい家に引っ越すことにしたのだ。
ばあちゃんの家に一時的に置いておいた父さんの大きな荷物や私の荷物、母さんの荷物をダンボールに詰めた数日前が懐かしく感じる。
母さんが仕事に行っているあいだに部屋を綺麗にしておこうと思ったが途中で飽きた私は新しい家の天井をぼんやり見つめていた。
有名企業に勤めている父さんに看護職の母さん。そんな二人が家計を支えているので家はそこそこ裕福な方だ。新築の天井は綺麗で傷はおろか汚れすらついてなかった。
小一時間ぼんやりしていた私はのそのそと起き上がって荷解きを再開した。リビング全て終わった頃には太陽は沈みかけていた。
ダンボールをたたみ紐で縛る。あとは、私の部屋だけだ。母さんの部屋は自分ですると言っていたので父さんの部屋、リビング、私の部屋の順番で荷解きをして数日、やっと私の部屋で寝ることが出来る。
そんなに荷物が多い訳では無いのでベッドの組み立て込でも二時間程で終わった。
帰りがそこそこ遅くなる母さんのために夕食を作りラップをかけた後、連日忙しかったせいで疲れていたためすぐに部屋に入り就寝の準備に取り掛かった。
そんな時、ふと本棚の漫画に視線が止まった。
共働きの両親、家では一人でいることが多かった私の娯楽といえば漫画やゲームだ。勿論、友達と遊んだりもしていたが三年前からはばあちゃんの家に引っ越したせいであまり家で遊ぶこともなく、部活か漫画やゲームをする日々を繰り返していたのだった。
そんなこんなで漫画はかなり多く所持しているが、その中でも一番好きな漫画にふと目にとまったのだ。
そういや単行本の新巻が二日前に出たはずなのだ。まだ、買っていない。
それに気付いた私はうずうずして気持ちが落ち着かなかったので急いでコンビニに向かい新巻を買ったのだった。
***
「っん〜〜〜!!!!推しが最高っ……!!」
最新巻を読み終えた私は、大好きな推し────柳さんが登場したことによりテンションがMAX、眠れなくなり単行本の柳さん登場シーンを片っ端から読み漁っていたのだ。
こんなこともあったなぁ、かっこいいなとページを捲る手が止まらない。
私はれっきとしたオタクだ。高校生になったらバイトしてグッズだって買うつもりだ。
そんな私だがそろそろ柳さんと同い年、中学三年生になる。今春から義務教育最後の年を過ごすのだ。
小学生の時から柳さんが大好きな私は勿論テニス部に入部、なんと部長までさせてもらっている。
それももう今年で最後。そう思うと、なんだか急に淋しくなってきた。
パタン、と本を閉じる。急に気持ちが落ち着いたせいか元々疲れていたせいなのか、眠気が襲ってきた。片付け、しないといけないのに。
そう思いつつも欲求には抗えずそのままその場で横たわり瞼を閉ざしたのだった。
吐く息が白く雪もぱらぱらと降っていた二月を越え三月の終わり頃、徐々に気温も上昇しそろそろ桜も咲くのではないだろうかとニュースが流れている。
その音声を聞き流しながら部屋中のダンボールから荷物を取り出す。梱包資材とダンボールがあちらこちらに広がっているが面倒になり荷物を取り出したあとそのまま床に横たわった。
私たちは二日前に引っ越しをした。と言っても、今中学二年生の私が関係してそれほど離れた場所では無いが。
父さんは長期出張中で、前の家には母さんと私とばあちゃんがいた。出張に行った父さんとほぼ同じタイミングでじいちゃんを亡くした、一人暮らしのばあちゃんを気遣って三年前からばあちゃんの家に住んでいた訳だがそのばあちゃんが一ヶ月前亡くなったので新しい家に引っ越すことにしたのだ。
ばあちゃんの家に一時的に置いておいた父さんの大きな荷物や私の荷物、母さんの荷物をダンボールに詰めた数日前が懐かしく感じる。
母さんが仕事に行っているあいだに部屋を綺麗にしておこうと思ったが途中で飽きた私は新しい家の天井をぼんやり見つめていた。
有名企業に勤めている父さんに看護職の母さん。そんな二人が家計を支えているので家はそこそこ裕福な方だ。新築の天井は綺麗で傷はおろか汚れすらついてなかった。
小一時間ぼんやりしていた私はのそのそと起き上がって荷解きを再開した。リビング全て終わった頃には太陽は沈みかけていた。
ダンボールをたたみ紐で縛る。あとは、私の部屋だけだ。母さんの部屋は自分ですると言っていたので父さんの部屋、リビング、私の部屋の順番で荷解きをして数日、やっと私の部屋で寝ることが出来る。
そんなに荷物が多い訳では無いのでベッドの組み立て込でも二時間程で終わった。
帰りがそこそこ遅くなる母さんのために夕食を作りラップをかけた後、連日忙しかったせいで疲れていたためすぐに部屋に入り就寝の準備に取り掛かった。
そんな時、ふと本棚の漫画に視線が止まった。
共働きの両親、家では一人でいることが多かった私の娯楽といえば漫画やゲームだ。勿論、友達と遊んだりもしていたが三年前からはばあちゃんの家に引っ越したせいであまり家で遊ぶこともなく、部活か漫画やゲームをする日々を繰り返していたのだった。
そんなこんなで漫画はかなり多く所持しているが、その中でも一番好きな漫画にふと目にとまったのだ。
そういや単行本の新巻が二日前に出たはずなのだ。まだ、買っていない。
それに気付いた私はうずうずして気持ちが落ち着かなかったので急いでコンビニに向かい新巻を買ったのだった。
***
「っん〜〜〜!!!!推しが最高っ……!!」
最新巻を読み終えた私は、大好きな推し────柳さんが登場したことによりテンションがMAX、眠れなくなり単行本の柳さん登場シーンを片っ端から読み漁っていたのだ。
こんなこともあったなぁ、かっこいいなとページを捲る手が止まらない。
私はれっきとしたオタクだ。高校生になったらバイトしてグッズだって買うつもりだ。
そんな私だがそろそろ柳さんと同い年、中学三年生になる。今春から義務教育最後の年を過ごすのだ。
小学生の時から柳さんが大好きな私は勿論テニス部に入部、なんと部長までさせてもらっている。
それももう今年で最後。そう思うと、なんだか急に淋しくなってきた。
パタン、と本を閉じる。急に気持ちが落ち着いたせいか元々疲れていたせいなのか、眠気が襲ってきた。片付け、しないといけないのに。
そう思いつつも欲求には抗えずそのままその場で横たわり瞼を閉ざしたのだった。
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