ヴィデオン・ジェイラ"月の魔道士"

そう言ったセレネは素早く呪文を唱えた。

「…戒めの鎖よ、その者を捉えよ」

一瞬にしてピセタをねじ伏せるセレネ。

ピセタも負けじと呪文を唱えるのだが、意図せずよろけたセレネは間一髪の所で魔法を避け、ピセタに魔法をかける。

「…古より住まう精霊よ、この迷える体と魂を清め天に運び給え」

光の粒がピセタと亡霊を包み込み、瞬時に消し去り……天に登るように消えていった。


と、共に倒れていた人々は目を覚まし、ピセタが消えた事で再び平和になったシャルフェ国。

人々からも、王宮からも感謝され功績を称えヴィデオン・ジェイラ"月の魔道士"と呼ばれるようになった。


そして、今日もまた国の安全をリュナと共にセレネは元気に街を見回るのであったー。

                    完。
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