第3章 百鬼をうち払え!
暦では皐月の月に入り、麗蘭と翔聖は、宋(今の中国)の国にいた。
陸奥や上野と、人型に各地を回らせている内に、この国には山の妖怪やもののけによる天変地異が絶えず、その影響は平安京にも及び、人々は困り果てていると聞いたからだ。
麗蘭は、その仕業が雷獣のものであると確信し、その妖怪が棲む山へと向かう。
そこには、見た事もない妖怪ばかりおり、猪のような顔をした妖怪や狐のような顔をした妖怪が麗蘭を取り囲む。
その数は百鬼よりも多く、千はいるだろう。
親玉である雷獣は、猿の顔に虎の手足を持ち、尾は蛇で、人々はこの妖怪を鵺と呼び恐れていた。
この妖怪は、その声で雷を地に落とすというかなりの曲者で倒すのには骨が折れそうだ。
麗蘭は3つ月程、霊力を高める為に高野山で修行したのもあり、呪符に五芒星を書き、念を込め呪文を口にした。
「…霊宝符命、魃鬼退散、万魔拱服、急々如律令!」
『…ぬぐぁぁぁぁ!!!』
十日にも及ぶ戦いの末、鵺諸共…山に棲む全ての妖怪を調伏した麗蘭に人々は感謝し、その噂は海を渡り京に届く事となる。
清明は、こうなる事を予知しており式文を麗蘭に送り、受け取った麗蘭は思わず微笑んだ。
その文には………。
麗蘭。宋の国で見事、数千の妖怪と雷獣を調伏したそうだな。加茂様も鼻高々だろう。
それに、もう高野山での修行も終わったのであろう?京へ戻って来ると良い。
この京にはお前の力が必要な者もたくさんいるだろうからな。
と、書かれており麗蘭は海を渡る決意をし、翔聖を呼んだ。
「…清明が待っているなら、この地にはもう用はないな」
「……翔聖、行くよ!」
「……御意」
宋の国を後にした麗蘭と翔聖は、文月に京へと戻り清明の屋敷に着く頃には宋での噂がすでに広まり、鬼才の陰陽師と呼ばれるようになったのであったー。
完。
陸奥や上野と、人型に各地を回らせている内に、この国には山の妖怪やもののけによる天変地異が絶えず、その影響は平安京にも及び、人々は困り果てていると聞いたからだ。
麗蘭は、その仕業が雷獣のものであると確信し、その妖怪が棲む山へと向かう。
そこには、見た事もない妖怪ばかりおり、猪のような顔をした妖怪や狐のような顔をした妖怪が麗蘭を取り囲む。
その数は百鬼よりも多く、千はいるだろう。
親玉である雷獣は、猿の顔に虎の手足を持ち、尾は蛇で、人々はこの妖怪を鵺と呼び恐れていた。
この妖怪は、その声で雷を地に落とすというかなりの曲者で倒すのには骨が折れそうだ。
麗蘭は3つ月程、霊力を高める為に高野山で修行したのもあり、呪符に五芒星を書き、念を込め呪文を口にした。
「…霊宝符命、魃鬼退散、万魔拱服、急々如律令!」
『…ぬぐぁぁぁぁ!!!』
十日にも及ぶ戦いの末、鵺諸共…山に棲む全ての妖怪を調伏した麗蘭に人々は感謝し、その噂は海を渡り京に届く事となる。
清明は、こうなる事を予知しており式文を麗蘭に送り、受け取った麗蘭は思わず微笑んだ。
その文には………。
麗蘭。宋の国で見事、数千の妖怪と雷獣を調伏したそうだな。加茂様も鼻高々だろう。
それに、もう高野山での修行も終わったのであろう?京へ戻って来ると良い。
この京にはお前の力が必要な者もたくさんいるだろうからな。
と、書かれており麗蘭は海を渡る決意をし、翔聖を呼んだ。
「…清明が待っているなら、この地にはもう用はないな」
「……翔聖、行くよ!」
「……御意」
宋の国を後にした麗蘭と翔聖は、文月に京へと戻り清明の屋敷に着く頃には宋での噂がすでに広まり、鬼才の陰陽師と呼ばれるようになったのであったー。
完。