第3章 百鬼をうち払え!
『…なんじゃ?今度はお前か!わしは、その陰陽師に用がある!』
「…私はお前に用がある!土蜘蛛!……欲にまみれたこの縁…今、断ち切る!!」
麗蘭は、清明からもらった退魔の呪符を取り出し残りの霊力を呪符と刀印に念を込めた後、土蜘蛛に向け投げ付け呪文を唱えた。
「…霊宝符命、魃鬼退散、万魔拱服、急々如律令!」
霊力を込めた事で、眩い光に包まれた土蜘蛛は怒号を上げる。
『…ぐあああ!この霊力!……お前…まさかあの時の赤子っ………!』
そう言って土蜘蛛は灰となり消え失せ、麗蘭は霊力を使い果たし前のめりに崩れるが、翔聖によって、その背に抱きつくようにして倒れ込む。
清明はその場に残った妖気に滅!と言い、それを祓うと、翔聖の背に横たわる麗蘭の頭を撫でた。
「…まったく…どんな無茶をしたかと思えば…あの百鬼をも払ったのか」
「…父上……申し訳ございません…」
「……だが、これで暫く都も安泰だな。……それに翔聖もお前の力を認めたようだしな」
「……そう仕組んだのはお前だろう」
「…結果、私の占術通りになった」
ニヤリと微笑んだ清明に麗蘭も力なく微笑み返すと、翔聖の背に抱き眠った。
それから数日後ー。
清明の屋敷を訪ね、土蜘蛛を調伏した麗蘭だが、己の霊力を更に高める為に旅に出る事を伝えた。
清明は、それを知っていたかのように麗蘭の頭を撫で、優しく見つめる。
「…異国の地に住まう鬼は数知れん。それでも行くと言うのだな?」
「………あの時は、父上の札の力を借りてしまったので、己の力だけで調伏できるようになりたいのです」
「…あの札は、お前の霊力の手助けを少しばかりしたに過ぎん。お前は昌平と肩を並べるまでになったというのに……」
「…いいえ、父上。私はまだまだ修行が足りません」
「……まったく……お前らしいな。この事は忠行様も知っているのだな?」
「…はい。忠行様は己の道を信じよと言って下さいました」
「…そうか。なら私もお前のゆく道を信じよう」
お礼を言いながら清明に抱きついた麗蘭を優しく抱きしめ、自分もかつて霊力を高める為、異国の地を旅していた事を思い出し、やはり血は争えんな……と心の中で呟いた。
「…私はお前に用がある!土蜘蛛!……欲にまみれたこの縁…今、断ち切る!!」
麗蘭は、清明からもらった退魔の呪符を取り出し残りの霊力を呪符と刀印に念を込めた後、土蜘蛛に向け投げ付け呪文を唱えた。
「…霊宝符命、魃鬼退散、万魔拱服、急々如律令!」
霊力を込めた事で、眩い光に包まれた土蜘蛛は怒号を上げる。
『…ぐあああ!この霊力!……お前…まさかあの時の赤子っ………!』
そう言って土蜘蛛は灰となり消え失せ、麗蘭は霊力を使い果たし前のめりに崩れるが、翔聖によって、その背に抱きつくようにして倒れ込む。
清明はその場に残った妖気に滅!と言い、それを祓うと、翔聖の背に横たわる麗蘭の頭を撫でた。
「…まったく…どんな無茶をしたかと思えば…あの百鬼をも払ったのか」
「…父上……申し訳ございません…」
「……だが、これで暫く都も安泰だな。……それに翔聖もお前の力を認めたようだしな」
「……そう仕組んだのはお前だろう」
「…結果、私の占術通りになった」
ニヤリと微笑んだ清明に麗蘭も力なく微笑み返すと、翔聖の背に抱き眠った。
それから数日後ー。
清明の屋敷を訪ね、土蜘蛛を調伏した麗蘭だが、己の霊力を更に高める為に旅に出る事を伝えた。
清明は、それを知っていたかのように麗蘭の頭を撫で、優しく見つめる。
「…異国の地に住まう鬼は数知れん。それでも行くと言うのだな?」
「………あの時は、父上の札の力を借りてしまったので、己の力だけで調伏できるようになりたいのです」
「…あの札は、お前の霊力の手助けを少しばかりしたに過ぎん。お前は昌平と肩を並べるまでになったというのに……」
「…いいえ、父上。私はまだまだ修行が足りません」
「……まったく……お前らしいな。この事は忠行様も知っているのだな?」
「…はい。忠行様は己の道を信じよと言って下さいました」
「…そうか。なら私もお前のゆく道を信じよう」
お礼を言いながら清明に抱きついた麗蘭を優しく抱きしめ、自分もかつて霊力を高める為、異国の地を旅していた事を思い出し、やはり血は争えんな……と心の中で呟いた。