第2章 彷徨う闇
「…この声は神の御霊 神の息吹 八百万の神よ 邪を滅したまえ!」
『…容易い容易い。そんなものは効かぬわ!』
退魔の呪文を唱えたが、効果が薄かったらしく、女は牙をむき出し噛みつこうとするも、それに気付き素早く結界をはった麗蘭。
言霊の術だけではこの者は倒せない。そう思った麗蘭は紙に呪文を書き、刀印を結び紙に念を込めて女へと投げつけ、口を開いた。
「…霊宝符命、魃鬼消除、急々如律令!」
一瞬にして女と牛車は麗蘭の札と言霊により祓われ消えていったー。
それを見届けた清明は術を解いて麗蘭の肩に手を置いた。
「…よくやったな麗蘭。……判断を間違えれば危ない所だった」
「………父上っ!!………私…怖かったです」
麗蘭は少し震えながら清明の胸に抱き着いた。
そんな娘を労るように背を撫でる。
「……あれほどの鬼女を相手にしたのだ。無理もない」
「…肌で感じた限りで確信はありませんでしたが、鬼女だと分かりました」
「…この一件でお前はもう見鬼の才が戻っているはずだ」
清明はそういうと、後ろにいた翔聖を前にこさせた。
はっきりと見えた式の姿に麗蘭は頷き、安堵してもう1度清明に抱き着いたー。
『…容易い容易い。そんなものは効かぬわ!』
退魔の呪文を唱えたが、効果が薄かったらしく、女は牙をむき出し噛みつこうとするも、それに気付き素早く結界をはった麗蘭。
言霊の術だけではこの者は倒せない。そう思った麗蘭は紙に呪文を書き、刀印を結び紙に念を込めて女へと投げつけ、口を開いた。
「…霊宝符命、魃鬼消除、急々如律令!」
一瞬にして女と牛車は麗蘭の札と言霊により祓われ消えていったー。
それを見届けた清明は術を解いて麗蘭の肩に手を置いた。
「…よくやったな麗蘭。……判断を間違えれば危ない所だった」
「………父上っ!!………私…怖かったです」
麗蘭は少し震えながら清明の胸に抱き着いた。
そんな娘を労るように背を撫でる。
「……あれほどの鬼女を相手にしたのだ。無理もない」
「…肌で感じた限りで確信はありませんでしたが、鬼女だと分かりました」
「…この一件でお前はもう見鬼の才が戻っているはずだ」
清明はそういうと、後ろにいた翔聖を前にこさせた。
はっきりと見えた式の姿に麗蘭は頷き、安堵してもう1度清明に抱き着いたー。