第1章 京を練り歩く者達

翌日。
昨日とほぼ同時刻に練り歩くべく、いつも通りに大内裏に近付いた時…。


花びらのように舞う金色の光が目の前に現れたかと思うと、その光は金色の龍の姿へと変身した。



「…何者だ?」

拓臣がその者を睨み付けたまま、低くうなり声を上げたが、その龍は静かにこう述べた。

『…我が名は空龍。古代よりこの地を守る者。…お主達、百鬼夜行じゃな?…しかし人数が足らぬな。…ならば、お主達は一族で行動するべきじゃ』


「一族で…だと?」

冬牙の問いに空龍と名乗った龍は頷き、更に続けた。


『…そうじゃとも。お主達は今、散り散りになっておろう?力も一つにまとまっておらんわい。…それはお主達が一番良く感じておるじゃろう?』




…確かに。今の百鬼夜行は、鬼や妖怪、もののけが同じ場所に住み、暮らしている。


それを一族を作りるなどという考えは無かった為、一瞬だけ間が空いたが、黒銀が答えた。

「…ああ、もちろんだ。…それに、一族ごとに分けたらもう少しまとまりも良くなり、仲間も増えてゆく…という事だな」
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