番外編 祝福の時
~凛音の場合~
寝所に向かった凛音は、正座をしてから口を開いた。
「…殿、ただいま帰りました」
「ああ、遅かったな」
「…あら、話しましたでしょ?姫様とお花見に行くと」
「…そうだったな。花見は良かったか?」
優しい口調の拓臣の声を聞いた凛音は、遅くなったので怒られるのではないかとひやひやしていたが、そうではなさそうなので安堵した。
「はい!良い日和でしたわ!」
「…で、それをもらったのか?」
「…あら、そうでしたわ!早く頂いたお花をお水に入れてあげなくては!!」
「……吾がやろう」
そう言い、 花の大きさに合うように、小さな花瓶に水を汲み入れ、花を凛音から受け取った拓臣は静かに茎を中に入れた。
「まあ!素敵ですわ!……殿、ありがとうございますっ!!」
柔らかく微笑んだ凛音に拓臣はああ…と呟きながら、微笑み返した。
今日の一時は、幸せを招く福寿草がくれた優しく、温かな思い出となったに違いない………。
完。
寝所に向かった凛音は、正座をしてから口を開いた。
「…殿、ただいま帰りました」
「ああ、遅かったな」
「…あら、話しましたでしょ?姫様とお花見に行くと」
「…そうだったな。花見は良かったか?」
優しい口調の拓臣の声を聞いた凛音は、遅くなったので怒られるのではないかとひやひやしていたが、そうではなさそうなので安堵した。
「はい!良い日和でしたわ!」
「…で、それをもらったのか?」
「…あら、そうでしたわ!早く頂いたお花をお水に入れてあげなくては!!」
「……吾がやろう」
そう言い、 花の大きさに合うように、小さな花瓶に水を汲み入れ、花を凛音から受け取った拓臣は静かに茎を中に入れた。
「まあ!素敵ですわ!……殿、ありがとうございますっ!!」
柔らかく微笑んだ凛音に拓臣はああ…と呟きながら、微笑み返した。
今日の一時は、幸せを招く福寿草がくれた優しく、温かな思い出となったに違いない………。
完。