番外編 祝福の時

その後、それぞれ三人がどうしてたかというと……。



     ~舞雪の場合~



申の刻に寝所に戻った舞雪を見た黒銀は寝そべっていた体を起こし、口を開いた。

「…花見に行ってきたのだったな」

「…そうじゃ。双方の姫様とな」

「ああ、冬牙と拓臣の姫様方か」



「…それと、これを東山の姫から贈られた」

舞雪はそう言うと、氷雨からもらった花を黒銀に見せた。



「…変わった花だな」

「…そうじゃな。わらわは花に詳しくないから、後で双ヶ丘の姫に聞いてみよう」


「…そうか。だが、術には詳しいではないか」

悪戯っぽく微笑んだ黒銀に舞雪は小さく、たわけ。わらわは呪術師じゃぞ?…と呟いたのであった……。
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