第6章 新たな始まり
「…満月はドラゴンの魔力が一番高まる。…これを利用し、破滅を企んだモンシャルベンが高まった魔力を使い、黒魔術で闇の精霊を呼び出し、魔術が未熟だったアグムの心身を操った」
『…そして改正された黒魔術は禁術と応用の二つに分かれ、どちらも一冊の本になった』
「…ええ」
ライルの言葉にエレンはゆっくりと答えた。
だが、禁術が書かれたものはもう存在しない。
あの時、完全に消滅したのだから。
「…この三人には後から処分を下す。が、その前にエレン。お前にも処罰を与えるが、いかなるものであれ、それを受け入れる覚悟はあるか?」
「……はい、国王」
エレンは覚悟をとうに決めていたので、この時ばかりは、国王と呼んだ。
「…まあお待ちなさい。…お二方、どうでしょう。この際、掟を変えるというのは」
どこからともなく声が聞こえ、聞こえた方を見ると、そこにはルパート国王が居た。
……掟を変える?そんな事が可能なのだろうか?
いや、可能だ。…なぜなら、掟を作ったのは目の前に居る国王、三人だ。
三人の合意があれば、掟を変える事など簡単だろう。
「…いきなり現れたかと思ったら、とんでもない事を言うな……」
「…良いじゃないかジョン。……それに、私達は親友でもあり、国を支える国王なのだから」
「…では決まりだね。…魔女と魔法使いとの誤解を解き、お互いに協力し合う事。…そして掟を破ったとしても、それなりの理由と働きをした者には罪を与えない」
ルパート国王の発言に二人とも静かに頷き、微笑んだ。
この光景を見ていたエレンは、本当に三人が昔からの良き親友、良き国王としてお互いに信頼し合っている事が手に取るように分かった。
『…そして改正された黒魔術は禁術と応用の二つに分かれ、どちらも一冊の本になった』
「…ええ」
ライルの言葉にエレンはゆっくりと答えた。
だが、禁術が書かれたものはもう存在しない。
あの時、完全に消滅したのだから。
「…この三人には後から処分を下す。が、その前にエレン。お前にも処罰を与えるが、いかなるものであれ、それを受け入れる覚悟はあるか?」
「……はい、国王」
エレンは覚悟をとうに決めていたので、この時ばかりは、国王と呼んだ。
「…まあお待ちなさい。…お二方、どうでしょう。この際、掟を変えるというのは」
どこからともなく声が聞こえ、聞こえた方を見ると、そこにはルパート国王が居た。
……掟を変える?そんな事が可能なのだろうか?
いや、可能だ。…なぜなら、掟を作ったのは目の前に居る国王、三人だ。
三人の合意があれば、掟を変える事など簡単だろう。
「…いきなり現れたかと思ったら、とんでもない事を言うな……」
「…良いじゃないかジョン。……それに、私達は親友でもあり、国を支える国王なのだから」
「…では決まりだね。…魔女と魔法使いとの誤解を解き、お互いに協力し合う事。…そして掟を破ったとしても、それなりの理由と働きをした者には罪を与えない」
ルパート国王の発言に二人とも静かに頷き、微笑んだ。
この光景を見ていたエレンは、本当に三人が昔からの良き親友、良き国王としてお互いに信頼し合っている事が手に取るように分かった。