第1章 小さな魔法使い
西暦六百年の夏。
北のモーリス国王とフィリア王妃との間にエレンという、栗色の髪は王妃に。深く青い目の色は国王によく似た姫君が誕生した。
その後、すくすくと成長したエレンは幼い頃から魔法の力を発揮し、七歳になる頃にはとてつもなく強力な魔力を身に付けていた。
…そんなある日の事。
王宮に急いで現れたエレンの腕に、背中にかすり傷を負った、茶色い毛並みに水色の目をした子猫がいた。
「…エレン。その子の傷はお前が治してあげなさい。…お前になら出来るだろう?」
子猫の傷を治して欲しいと頼みに来た事くらい直ぐに察した国王はわざと試すような言い方をした。
それは自らが、以前からエレンの魔力がどれだけのものであるかを知っていたからだ。
だが、それを知らない王妃はまだそれほど大きな魔力が備わっていないと思い、止めさせようとしたのだが、先に口を開いたのはエレンだった。
「…分かりました。…もし成功したら、この子私がお世話しても良いかしら?」
この予想していない問いに対し、二人はお互いの顔を見合わせた後、しぶしぶ頷いてみせた。
それを確認したエレンは子猫を宮殿の床に寝かせ、体の上に両手をかざして呪文を唱えた瞬間…。
まばゆい光が溢れ出し、子猫の体を包み込んだかと思うと、ゆっくり目を開けた子猫は言葉を話せるくらい回復した。
(この当時は、動物達にも言葉が話せるよう魔法がかけられていた)
「…流石だなエレン。お前ならきっとあのサルマニクス様のような偉大な魔法使いになれるだろう」
「…ありがとうございます!でも、まずはお父様とお母様を超える魔法使いになるのが今の私の目標ですっ!」
北のモーリス国王とフィリア王妃との間にエレンという、栗色の髪は王妃に。深く青い目の色は国王によく似た姫君が誕生した。
その後、すくすくと成長したエレンは幼い頃から魔法の力を発揮し、七歳になる頃にはとてつもなく強力な魔力を身に付けていた。
…そんなある日の事。
王宮に急いで現れたエレンの腕に、背中にかすり傷を負った、茶色い毛並みに水色の目をした子猫がいた。
「…エレン。その子の傷はお前が治してあげなさい。…お前になら出来るだろう?」
子猫の傷を治して欲しいと頼みに来た事くらい直ぐに察した国王はわざと試すような言い方をした。
それは自らが、以前からエレンの魔力がどれだけのものであるかを知っていたからだ。
だが、それを知らない王妃はまだそれほど大きな魔力が備わっていないと思い、止めさせようとしたのだが、先に口を開いたのはエレンだった。
「…分かりました。…もし成功したら、この子私がお世話しても良いかしら?」
この予想していない問いに対し、二人はお互いの顔を見合わせた後、しぶしぶ頷いてみせた。
それを確認したエレンは子猫を宮殿の床に寝かせ、体の上に両手をかざして呪文を唱えた瞬間…。
まばゆい光が溢れ出し、子猫の体を包み込んだかと思うと、ゆっくり目を開けた子猫は言葉を話せるくらい回復した。
(この当時は、動物達にも言葉が話せるよう魔法がかけられていた)
「…流石だなエレン。お前ならきっとあのサルマニクス様のような偉大な魔法使いになれるだろう」
「…ありがとうございます!でも、まずはお父様とお母様を超える魔法使いになるのが今の私の目標ですっ!」