第6章 新たな始まり

先代国王に仕えていた…?
エレンはライルを疑うような目で見つめた。

『…確かに私は、この三国が出来る前………モンシャルベンに仕えていた。…けど、あの人は、私達ドラゴンを裏切ったっ!!…良いように魔力を使われたドラゴンは次々と死んでいったわ……。それを見た私は人間に失望し、おそれ山に身を隠し、時が来るのを待った。……呪いがかけられたのは、その矢先の事よ』


……この話しが、本当ならば話しは違う。
今はただ、ライルを信じたい一心だった。




「…確かにライルはモンシャルベンに仕えていましたが、自分の意思で去っています」

「…そうか。モンシャルベンは自害した身。…そうなれば、また話しは違ってくるというもの」

「…で、ですが‼」

評議員三人が口を揃えて言うが、国王はそれを制止するように静かに言い放った。

「…三人とも。…前から感じてはいたが、お前達はモンシャルベンの側近だろう?」




「…くくくっ。ばれてしまっては仕方ありませんね」

「…そうですとも!私達はモンシャルベンの側近。…あともう少しでこの世界は闇へと変わり、モンシャルベンも甦る筈だった!」

「…全くだ!…知っての通りモンシャルベンの使う言葉には魔力があった。……それは、当時…ドラゴンの魔力とモンシャルベンの魔力を融合させていたからだ!…だが、それも、もう叶わぬっ!!!」


「……エレン、お前が呪いを解いたせいでなっ!!」

不適な笑みを浮かばせた三人を見たエレンは、自分の中で何かが結びついた。




「…ドラゴンの魔力を利用して闇の精霊を呼び出したのは、全てモンシャルベンの思惑だったという事ね」

「…流石は賢いエレン。お前にはもう全て分かっているのだろう?」

「…あの歌が歌われたのも、満月の夜だと……」
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