第5章 解かれた呪い
「…エレンったら、いつの間に私が預かっていた本を?」
シェレーナが幻だったのには驚いたが、落ち着いてきた所でシムズ国王の傷を治療し終えたスフレが尋ねた。
「…魔女の抜け道に入った時よ。…でもこれが、白魔術の本ではなく、黒魔術の禁術が書かれた本だと気付いたのはパシェ国の城で黒魔術に関する本を見た時だったわ」
「…え?」
「…あの本は本当は、経済学と歴史が書かれていたものだったの」
こう言ったエレンの言葉にスフレは少し驚いた顔をしていた。
だが、あの時から怪しいと感じていたのもスフレ自身だった。
「…あのね、ライル。…これを消滅させて欲しいの。……もう二度と、同じ事が起きないようにする為に…」
エレンは持っていた白い本を地面に置くと、ライルはええ、そうねと言い、ドラゴンブレスでそれを灰にした。
………その瞬間。
もの凄い衝撃音と共に、おそれ山が崩れ落ちた。
あの本を消滅させた事により、スフレが持っていたとされる杖にかけられた呪いが溶け、元の姿へと戻ったのだ。
それを見た国民達は感動の声を上げながら、国王の元へと駆け寄ってきた。
「…凄いよエレン!やったね!」
国民達と一緒にいたミーシャが側に来た事で、エレンが街に目を向けると…。
魔法の効力が切れ、火の海となるように見せていたシェレーナの魔法と、結界を張るべく使われていたアグムの魔法も消えていく所だった。
シェレーナが幻だったのには驚いたが、落ち着いてきた所でシムズ国王の傷を治療し終えたスフレが尋ねた。
「…魔女の抜け道に入った時よ。…でもこれが、白魔術の本ではなく、黒魔術の禁術が書かれた本だと気付いたのはパシェ国の城で黒魔術に関する本を見た時だったわ」
「…え?」
「…あの本は本当は、経済学と歴史が書かれていたものだったの」
こう言ったエレンの言葉にスフレは少し驚いた顔をしていた。
だが、あの時から怪しいと感じていたのもスフレ自身だった。
「…あのね、ライル。…これを消滅させて欲しいの。……もう二度と、同じ事が起きないようにする為に…」
エレンは持っていた白い本を地面に置くと、ライルはええ、そうねと言い、ドラゴンブレスでそれを灰にした。
………その瞬間。
もの凄い衝撃音と共に、おそれ山が崩れ落ちた。
あの本を消滅させた事により、スフレが持っていたとされる杖にかけられた呪いが溶け、元の姿へと戻ったのだ。
それを見た国民達は感動の声を上げながら、国王の元へと駆け寄ってきた。
「…凄いよエレン!やったね!」
国民達と一緒にいたミーシャが側に来た事で、エレンが街に目を向けると…。
魔法の効力が切れ、火の海となるように見せていたシェレーナの魔法と、結界を張るべく使われていたアグムの魔法も消えていく所だった。