第5章 解かれた呪い
「…よく避けたな。だが、これはどうかな?」
シムズ国王が次の行動に移る瞬間、エレンは出来るだけ距離を置いた。
……しかし、その判断は少し遅かった。
国王の指先から大きな火の玉が出てきて、その玉は勢い良くエレンへと迫る。
「…オーメナル・イリバース!」"水流よ、炎を消し去れ"
咄嗟に唱えた呪文は、四方八方から炎を消していくが、無数の短剣が隠されていたのに気付いたが、その内の一本がエレンの左足首を掠めた。
…そこから流れ出る血。それを見たエレンは、恐怖のあまり軽い眩暈に襲われた。
「…ほら、どうした。お前の力はそんなものなのか?…私の力を使えば、お前のような小娘、いつでも殺せるぞ?」
「……くっ!そうかしら?…そんな事よりも、そこから出ないと二人ともやられるわよ?…それでも良いのかしら?」
ドレスの裾を剣で破き、それを傷口に巻き付けたエレンは、ゆっくりと立ち上がり前を見つめた。
「…ほお?私の体と魂を引き離すとでも言いたいのか?この小娘がっ!!」
赤黒い目をした国王は、もう一度大きな火の玉を作り出す。
エレンは、先程と同じように水で炎を消すと同時に、もう一つ細工をした。
シムズ国王が次の行動に移る瞬間、エレンは出来るだけ距離を置いた。
……しかし、その判断は少し遅かった。
国王の指先から大きな火の玉が出てきて、その玉は勢い良くエレンへと迫る。
「…オーメナル・イリバース!」"水流よ、炎を消し去れ"
咄嗟に唱えた呪文は、四方八方から炎を消していくが、無数の短剣が隠されていたのに気付いたが、その内の一本がエレンの左足首を掠めた。
…そこから流れ出る血。それを見たエレンは、恐怖のあまり軽い眩暈に襲われた。
「…ほら、どうした。お前の力はそんなものなのか?…私の力を使えば、お前のような小娘、いつでも殺せるぞ?」
「……くっ!そうかしら?…そんな事よりも、そこから出ないと二人ともやられるわよ?…それでも良いのかしら?」
ドレスの裾を剣で破き、それを傷口に巻き付けたエレンは、ゆっくりと立ち上がり前を見つめた。
「…ほお?私の体と魂を引き離すとでも言いたいのか?この小娘がっ!!」
赤黒い目をした国王は、もう一度大きな火の玉を作り出す。
エレンは、先程と同じように水で炎を消すと同時に、もう一つ細工をした。