第5章 解かれた呪い
日が傾き始めた頃…。
赤い布に黒の刺繍が入った軍服を来たエレンは、シムズ国王の元へと向かった。
「…いよいよですね陛下」
「…ああ。……ディーグ。お前は午後六時を告げる鐘がなったら街に火を放ちに行け」
「…はい陛下。……それと、パーム国の王妃はどういたしますか?」
「…フィリア王妃か。……最近、王妃の様子がおかしい」
玉座から腰を上げ、立ち上がったシムズ国王はエレンを見つめた。
「……と、言いますと?」
「……二、三日前から食事をしていないのだ」
魔女があまり食事を取らないのが裏目に出たのかと思った時、国王は更に言葉を続けた。
「…それだけではない。…おそれ山も変だ!前のような陰湿さが感じられなくなったばかりでなく、魔女の動きが活発になった。…これと何か関係があるのだろうか?」
肩に手を置かれた兵士に変身しているエレンは、まるで……お前がやったのか?と聞かれているような感覚に襲われ、自然と唾液を飲み込むのが自分でも分かった。
しかし、追い討ちをかけるようにシムズ国王はエレンの目を捕らえながら、またもや口を開いた。
「……それにお前、私に何か隠しているようにも見えるが、違うか?」
……ああ。もう言い逃れできない!そう思った時…。
六時を告げる鐘の音に助けられた。
「…まあ良い。それはこれが終わってからだ。…もう少しでここは火の海となる!…どれくらいかかる?」
「…そうですね。三十分もあれば、可能でしょう。…ですが、本日は風が少し強く、下手をすれば他国に知られてしまう危険がありますが、この国にはもう陛下の魔法で結界が張ってあるので、余計な心配はいらないかと…」
赤い布に黒の刺繍が入った軍服を来たエレンは、シムズ国王の元へと向かった。
「…いよいよですね陛下」
「…ああ。……ディーグ。お前は午後六時を告げる鐘がなったら街に火を放ちに行け」
「…はい陛下。……それと、パーム国の王妃はどういたしますか?」
「…フィリア王妃か。……最近、王妃の様子がおかしい」
玉座から腰を上げ、立ち上がったシムズ国王はエレンを見つめた。
「……と、言いますと?」
「……二、三日前から食事をしていないのだ」
魔女があまり食事を取らないのが裏目に出たのかと思った時、国王は更に言葉を続けた。
「…それだけではない。…おそれ山も変だ!前のような陰湿さが感じられなくなったばかりでなく、魔女の動きが活発になった。…これと何か関係があるのだろうか?」
肩に手を置かれた兵士に変身しているエレンは、まるで……お前がやったのか?と聞かれているような感覚に襲われ、自然と唾液を飲み込むのが自分でも分かった。
しかし、追い討ちをかけるようにシムズ国王はエレンの目を捕らえながら、またもや口を開いた。
「……それにお前、私に何か隠しているようにも見えるが、違うか?」
……ああ。もう言い逃れできない!そう思った時…。
六時を告げる鐘の音に助けられた。
「…まあ良い。それはこれが終わってからだ。…もう少しでここは火の海となる!…どれくらいかかる?」
「…そうですね。三十分もあれば、可能でしょう。…ですが、本日は風が少し強く、下手をすれば他国に知られてしまう危険がありますが、この国にはもう陛下の魔法で結界が張ってあるので、余計な心配はいらないかと…」