序章

昔々。この国には七つの島があった。

二人はお互いに協力し合って造った国の北側をサルマニクス。

南側をモンシャルベンが治めるようになった。


しかしー。

この頃は魔女やエルフ、魔法使い達が数多く居たが、まだ″魔法"というものがあまり浸透しておらず、魔法を使う為に必要な言葉も皆、違っていた。


そこで、 二人はその言葉をまず先に編み出そうと考え…。



魔女やエルフ、魔法使いに限らず、皆が使えるようにと"白魔術″を編み出そうとしたサルマニクスに対しー。

魔法使いだけが使えるようにドラゴンの魔力を融合させた″黒魔術"を編み出そうとしたモンシャルベン。


だが、黒魔術は力が強すぎて言葉の力を抑えられなくなると判断したサルマニクスは、その言葉をむやみに使ってはならないと反対した。



…が。その反対を押し切ってでも、なんとか広めたいという想いが強くなったモンシャルベンは否定される毎に、より黒魔術を自分だけのものにしてしまおうと考え始めるようになった。


しかし、そうなるのを予め予測していたかのように現れたサルマニクスにモンシャルベンの怒りが爆発し攻撃するものの、いともたやすく跳ね返され…。

自分の力不足と思惑を知られてしまった事に絶望したモンシャルベンは、自分が編み出した黒魔術を使い、弟子と共に自害した。



…その後。

モンシャルベンが居なくなった事で黒魔術に使われていた言葉は、同じ過ちをする者が居ないようにと強く願ったサルマニクスによって、本来の力を引き出させない為に禁術として一冊の本に封印された。

と同時に、白魔術を使う言葉をテナータ語。(エルフや魔女のように呪文を唱えなくても魔法が使える者でも使えるようにしたもの)


黒魔術に使う言葉をムスハ語(白魔術と違い、魔法使いだけが使えるように、必ず呪文を唱えないと効力を発揮しないようにし、力を抑える魔法がかけられ改正された)と決め、言葉そのものに魔力を与えたという…。
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