第4章 戦いの始まり
元の姿へと戻ったスフレが西国の城へと戻った頃、エレンはシェレーナと図書室にいた。
ここにある本のほとんどは、黒魔術に関するものばかりが並べられていた。
その中でも、目を引いたのは"死者を呼び戻す魔法"や"体に魂を乗り移す魔法"は、アグムがシムズ国王の体を利用していると、改めて確信した。
「…アグムは国王の体を操っているのね」
エレンと同じ事を思ったのか、シェレーナはとてもやりきれないような表情をしていた。
だが、この時。
エレンは何かが心の中で引っ掛かっている感じを覚えていた。
…その引っ掛かりが何なのかは分からなかったが、それはいずれにせよ良くないものだというのは間違いない。
「…スフレ、そこにいる?…シムズ国王を揺さぶってみるわ」
「…揺さぶるって?」
側に来たスフレの気配に気付いたエレンは続けて口を開いた。
「…お母様の姿に変身して監禁されているようにシムズ国王に思わせてほしいの。…もちろん、その間はスフレが魔女だと知られないように」
「…エレンらしい考えね。分かったわ、後は任せて?」
そう言ったスフレは、風のように去っていった。
「…そしてシェレーナ様にもお願いがあります。…兵士の私に化けて、牢屋に入れられてしまった人達と、国民を一人残さずおそれ山に避難させてほしいのです。…私の正体を知ってしまったら、ここは戦場となってしまうでしょうから」
「…分かったわ。エレン、気を付けてね」
スフレと同じく去っていったシェレーナ。
それを見届けたエレンは宮殿へと向かい、中に入った。
ここにある本のほとんどは、黒魔術に関するものばかりが並べられていた。
その中でも、目を引いたのは"死者を呼び戻す魔法"や"体に魂を乗り移す魔法"は、アグムがシムズ国王の体を利用していると、改めて確信した。
「…アグムは国王の体を操っているのね」
エレンと同じ事を思ったのか、シェレーナはとてもやりきれないような表情をしていた。
だが、この時。
エレンは何かが心の中で引っ掛かっている感じを覚えていた。
…その引っ掛かりが何なのかは分からなかったが、それはいずれにせよ良くないものだというのは間違いない。
「…スフレ、そこにいる?…シムズ国王を揺さぶってみるわ」
「…揺さぶるって?」
側に来たスフレの気配に気付いたエレンは続けて口を開いた。
「…お母様の姿に変身して監禁されているようにシムズ国王に思わせてほしいの。…もちろん、その間はスフレが魔女だと知られないように」
「…エレンらしい考えね。分かったわ、後は任せて?」
そう言ったスフレは、風のように去っていった。
「…そしてシェレーナ様にもお願いがあります。…兵士の私に化けて、牢屋に入れられてしまった人達と、国民を一人残さずおそれ山に避難させてほしいのです。…私の正体を知ってしまったら、ここは戦場となってしまうでしょうから」
「…分かったわ。エレン、気を付けてね」
スフレと同じく去っていったシェレーナ。
それを見届けたエレンは宮殿へと向かい、中に入った。