第4章 戦いの始まり
「…お前、見かけない顔だな?」
「…はい。ご挨拶が遅くなり、申し訳ありません。…本日から配属となりました、ディーグにございます」
「…ふんっ!挨拶などいらぬ。どうせお前も他の兵士と同じだ!何も知らぬのであろう?…あの山。……おそれ山について!」
ディーグと適当に名乗ったエレンを睨み付けたシムズ国王は荒々しく玉座の肘掛けを拳で叩きつけた。
その言動を目の当たりにし、まだおそれ山について何も知らないのだと直感する。
「…いえ陛下。…本日はご挨拶もそうですが、少しですがおそれ山についてお話しさせて頂きたいのです」
「…ほう?…良いだろう。話せ」
その声を聞いたシムズ国王は面白いものでも見るかのように、改めて玉座に座り直した。
それを見たエレンはわざとらしく酷く怖がるような素振りをしながら口を開いた。
「…はい陛下。…おそれ山とはその名の通り、それはもう…恐ろしい山だそうです!あそこには、世にも恐ろしい怪物が住んでいるとか…」
「…ほお?ディーグといったな?…なかなか興味深い事を言う奴だ。気に入ったぞ。…お前は今日から私の片腕となって支えるのだ。お前なら、私を満足させてくれそうだ」
気味の悪い笑みを浮かべたシムズ国王の目は赤黒く、やはり操られている様子だった。
一方……。
エレンに化けたスフレは、搭の上に監禁されていたフィリア王妃を連れパーム国へと魔女が使う魔法で、瞬時に移動した。
久々に王宮に戻って来た王妃を見たスフレは一礼すると、エレンの姿に変身したまま、もう一度戻るべく移動した。
そして、国王と王妃は化けていたのはスフレだという事を初めから知っていたように、魔法使いと魔女の共存を考えていたとは…知る由もなかった。
「…はい。ご挨拶が遅くなり、申し訳ありません。…本日から配属となりました、ディーグにございます」
「…ふんっ!挨拶などいらぬ。どうせお前も他の兵士と同じだ!何も知らぬのであろう?…あの山。……おそれ山について!」
ディーグと適当に名乗ったエレンを睨み付けたシムズ国王は荒々しく玉座の肘掛けを拳で叩きつけた。
その言動を目の当たりにし、まだおそれ山について何も知らないのだと直感する。
「…いえ陛下。…本日はご挨拶もそうですが、少しですがおそれ山についてお話しさせて頂きたいのです」
「…ほう?…良いだろう。話せ」
その声を聞いたシムズ国王は面白いものでも見るかのように、改めて玉座に座り直した。
それを見たエレンはわざとらしく酷く怖がるような素振りをしながら口を開いた。
「…はい陛下。…おそれ山とはその名の通り、それはもう…恐ろしい山だそうです!あそこには、世にも恐ろしい怪物が住んでいるとか…」
「…ほお?ディーグといったな?…なかなか興味深い事を言う奴だ。気に入ったぞ。…お前は今日から私の片腕となって支えるのだ。お前なら、私を満足させてくれそうだ」
気味の悪い笑みを浮かべたシムズ国王の目は赤黒く、やはり操られている様子だった。
一方……。
エレンに化けたスフレは、搭の上に監禁されていたフィリア王妃を連れパーム国へと魔女が使う魔法で、瞬時に移動した。
久々に王宮に戻って来た王妃を見たスフレは一礼すると、エレンの姿に変身したまま、もう一度戻るべく移動した。
そして、国王と王妃は化けていたのはスフレだという事を初めから知っていたように、魔法使いと魔女の共存を考えていたとは…知る由もなかった。