第4章 戦いの始まり
あの日から、熱を出して唸り声を上げていたエレンが意識を取り戻したのは、呪いを解いてから二日後の事。
長時間に及ぶ魔力の消費で、体がついていけなくなったのだ。
ぼんやりと目を開けると、辺りには薄暗い森が広がっていた。
…ここは何処だろうと体を動かそうとしても、あちこちに鈍くて重い痛みを感じた。
『…気が付いて良かった。今は体を動かさない方が良いわ』
透き通るような声が心の中から聞こえたような気がしたエレンは驚きながらも、気配がした方へと目を向けると…。
そこには、薄紫色の体に金色の目をしたドラゴンがいた。
そのドラゴンは、気を失う前に見た時と同じで、あれは夢ではなかったのだと改めて感じた。
『…貴方は?…私の名はエレン。ドラゴンなんて初めて見たわ!とても美しい生き物なのね』
心の中でエレンはドラゴンの目を見て話しかけた。
どうして、そうしたかは分からないが、何か語らずとも、伝わってくるような…そんな気がしたからだ。
『…私の名はライル。…怪物の時の名は他の者達も、呪いをかけられたままいたら、その容姿と名になっていた。けど…まだ杖にかけられた呪いは解かれていない。…それは、今まで以上の戦いになるわ。……でも大事なのは、恐れずに進む事。…大丈夫、エレンなら出きるわ』
ふと、体の痛みが取り払われるようにして自然と体を起こしたエレンは折れたはずの左手を動かした。
…治っている。いつの間に?
『…今、エレンと話してる間に。…さあ、皆が待ってる。…私はいつでも貴方の側に居るわ』
こちらを見つめてくるエレンに、あっさりと答えたライルは立ち上がると、ドラゴンブレスを吐き出した。(ドラゴンだけが出せるドラゴンブレスには、とても大きな魔力があると言われている)
長時間に及ぶ魔力の消費で、体がついていけなくなったのだ。
ぼんやりと目を開けると、辺りには薄暗い森が広がっていた。
…ここは何処だろうと体を動かそうとしても、あちこちに鈍くて重い痛みを感じた。
『…気が付いて良かった。今は体を動かさない方が良いわ』
透き通るような声が心の中から聞こえたような気がしたエレンは驚きながらも、気配がした方へと目を向けると…。
そこには、薄紫色の体に金色の目をしたドラゴンがいた。
そのドラゴンは、気を失う前に見た時と同じで、あれは夢ではなかったのだと改めて感じた。
『…貴方は?…私の名はエレン。ドラゴンなんて初めて見たわ!とても美しい生き物なのね』
心の中でエレンはドラゴンの目を見て話しかけた。
どうして、そうしたかは分からないが、何か語らずとも、伝わってくるような…そんな気がしたからだ。
『…私の名はライル。…怪物の時の名は他の者達も、呪いをかけられたままいたら、その容姿と名になっていた。けど…まだ杖にかけられた呪いは解かれていない。…それは、今まで以上の戦いになるわ。……でも大事なのは、恐れずに進む事。…大丈夫、エレンなら出きるわ』
ふと、体の痛みが取り払われるようにして自然と体を起こしたエレンは折れたはずの左手を動かした。
…治っている。いつの間に?
『…今、エレンと話してる間に。…さあ、皆が待ってる。…私はいつでも貴方の側に居るわ』
こちらを見つめてくるエレンに、あっさりと答えたライルは立ち上がると、ドラゴンブレスを吐き出した。(ドラゴンだけが出せるドラゴンブレスには、とても大きな魔力があると言われている)