第4章 戦いの始まり
鈍い痛みを感じて目を開けると、体は鉛のように重たく…そこで先程、トロールの拳が自分のお腹をかすめた衝撃で弾き飛ばされた事を思い出した。
なんとか力を振り絞り、体を起こそうとしたのだが、トロールの低音の声と共に両足を引きずられた。
…まずい。投げ飛ばす気だ。
危険を感知したエレンは、引きずられる度に痛みが増していく腕を伸ばし呪文を唱えた。
「…エンパ―・スーム!」"剣よ、切り裂け"
宙に浮いた剣は、素早くトロールの足を二、三回貫いた。
足を傷つけられたトロールは、よろめくように木々をなぎ倒して地面に崩れ落ちた。
その事で掴まれていた手が離され、ようやく立ち上がったエレンは、トロールの足を見ると…。
そこからは紫色の血が流れていたが、早くも皮膚の再生が始まっていた。
……思ったよりも効果なしね。地面に置かれた剣を取ろうとして、手の異変に気付いた。
いくら力を入れようとしても動かず、それだけで泣き叫びたくなるほどの強烈な痛みが走る。
あの時、投げ飛ばされた衝撃で左手の骨が折れてしまっていたのだ。
仕方なく剣を拾うのは諦め、右手に盾を構えたエレンはトロールとの距離を置いた。
その方が、下手に動く事もなく相手の動きを捕らえれる。
完全に傷が塞がったトロールは自分の腕を地面に叩きつけた。
すると…。
地面がひび割れその間から勢いよく生えてきた木の枝に、地面に置かれた剣と手に持っていた盾が取られ、更にはエレンの体をも近くに生えていた木の幹に縛り付けた。
なんとか力を振り絞り、体を起こそうとしたのだが、トロールの低音の声と共に両足を引きずられた。
…まずい。投げ飛ばす気だ。
危険を感知したエレンは、引きずられる度に痛みが増していく腕を伸ばし呪文を唱えた。
「…エンパ―・スーム!」"剣よ、切り裂け"
宙に浮いた剣は、素早くトロールの足を二、三回貫いた。
足を傷つけられたトロールは、よろめくように木々をなぎ倒して地面に崩れ落ちた。
その事で掴まれていた手が離され、ようやく立ち上がったエレンは、トロールの足を見ると…。
そこからは紫色の血が流れていたが、早くも皮膚の再生が始まっていた。
……思ったよりも効果なしね。地面に置かれた剣を取ろうとして、手の異変に気付いた。
いくら力を入れようとしても動かず、それだけで泣き叫びたくなるほどの強烈な痛みが走る。
あの時、投げ飛ばされた衝撃で左手の骨が折れてしまっていたのだ。
仕方なく剣を拾うのは諦め、右手に盾を構えたエレンはトロールとの距離を置いた。
その方が、下手に動く事もなく相手の動きを捕らえれる。
完全に傷が塞がったトロールは自分の腕を地面に叩きつけた。
すると…。
地面がひび割れその間から勢いよく生えてきた木の枝に、地面に置かれた剣と手に持っていた盾が取られ、更にはエレンの体をも近くに生えていた木の幹に縛り付けた。